中毒その1●そもそも貯金できない!
マネー中毒のことを考えるとき、もっとも毒されていると感じるのは「貯金ができない人」です。1月12日に報道されたばかりの内閣府の調査(国民経済生産によれば、家計貯蓄率は3.1%しかないそうです。もちろん、国民全体の貯蓄率を考えても仕方ないところですが、若い人の「貯蓄格差」もそうとう深刻です。金融広報中央委員会が昨年10月に公表した「家計の金融資産に関する世論調査」によると、貯蓄のない世帯が20歳代で25.6%、30歳代で27.4%もいるそうです。4人に1人は貯金ゼロというわけです!貯金が必要かどうか、といえば、それは明らかに必要です。仕事ができなくなったときの備えに何らかのお金は必須ですし、結婚~子育て~住宅購入~老後といった先のことを考えても、お金を貯めておかなければなりません。しかし、理屈で分かっていてもできないのが「中毒」というものです。なんとかデトックスする方法はないものでしょうか。
貯金についていろんな人の話を聞いていると「貯金できる人」と「貯金できない人」にはっきり分かれるなあと思います。「貯金できる人」は苦労しなくても自然に貯められます。これは体質といっていいと思います。貯金体質というわけです。
一方で「貯金できない人」もたくさんいます。こうした人たちはなんで貯められる人がいるのかわからないと言います。「お金を貯めることはしんどい」→「毎月の収入を使い切るほうが楽しい」→「だから貯められない」と思っているわけです。こうした人は、完全に中毒です。
貯金をできない人のデトックスはひとつしかありません。とにかく貯金をすることです。まずは、無理やり習慣づけることがいいと思います。自動引き落としで積立貯蓄をするか、社内制度(財形貯蓄等)で給与天引きにすれば、給料日には自動的に積立ができます。それが無理なら、自分で給料日に1万円でもいいので、別の口座に移しておくのです。ポイントは給料日にやってしまうことです。
だまされたと思って何カ月かあきらめずに続けてみてください。もしだまされても、いつでも使えるわけですから困ることはありません。しかし、何カ月かすると「貯めると気持ちいい」と思えるようになるはずです。気持ちよくなれば、毒素が排出されてきた証拠です。
何より(1)自分が資産を持っていると感じることは気持ちいいことです。資産ゼロのときより何か大きくなれた気がします。これが重要です。次に(2)資産がじわじわ増えていくことはさらに気持ちいいことです。追加で積み立てた資産が増えたり、利息が加算されることで増える楽しさがわかってきます。ここまでくれば、デトックスもほぼ完了。あとはクセになるまで継続すること。できれば、積み立てる額を増やしておくといいでしょう(ボーナスのときはここぞとばかりにドカンと貯金しちゃいましょう)。
「もっと貯めたいな」と思うようになったらデトックスは完了です! 気がつけば「あのとき、貯金できなかったなんて……」と信じられない気がするはず。ぜひチャレンジしてみてください。
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