貯蓄/貯蓄する基本の方法

こんなに惨め!貯金ゼロの恐ろしい未来?

給料日前に残高が3ケタになる貯金ゼロのいわゆる「無貯金族」はいませんか?このままだとあなたの将来はどんな悲惨なことになるかお教えします。第一に貯金ができないということは、ほとんどの大型出費に対応できないということです。人生の転機というのはほとんどの場合、出費の時期でもあるのです。「貯金できるようになりたい!」とあなたが考えるのであれば、簡単な方法をお教えします。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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給料日前、残高1000円以下の生活から抜け出したい?

あなたは貯金してますか? 貯金なんかまったくない、という人もいることでしょう。金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]2018年』によれば、20歳代の世帯の32.2%、30歳代の世帯の17.5%が貯金ゼロ、だそうです。
 
貯金できない人の生活は決まって綱渡り

貯金できない人の生活は決まって綱渡り


私も20代の頃は、貯金できない生活でしたからよく分かりますが、貯金できない人の生活は決まって綱渡りです。1カ月にもらった給与でその1カ月をなんとかやりくりするのですが、給料日が25日だとしたら20日頃には給与振込口座の残高は1000円を切っていることが多いのではないでしょうか。

口座の残高が3ケタということは、1000円単位ではもうおろせないいわば極限状態です。財布に残っているお金を残りの日数で割り算して「1日800円で暮らせばなんとか……」なんてやってませんか。こういう人は、場合によっては「ちょっとだけ……」なんて消費者金融などから数万円借りてしまったりします。

消費者金融から借りた分は翌月の給料から返すわけですから、また翌月もしんどいことになります。こういう生活、改めてみたいとは思いませんか? 「貯金ゼロ人生」の厳しさを知り、「脱貯金ゼロ人生」のヒントをご紹介します。

【目次】
給料日前、残高1000円以下の生活から抜け出したい?
貯金もできない将来は真っ暗だ!(その1)
貯金もできない将来は真っ暗だ!(その2)
今こそオートマチック貯蓄をスタートさせろ!

 

貯金もできない将来は真っ暗だ!(その1)

ところで、貯金できない人生はどうなるか考えたことがありますか? 今のところは給料日前のやりくりだけを考えていますが、FP的見地から考えてみると、もっと大変な将来が待ちかまえています。

まず第一に貯金ができないということは、ほとんどの大型出費に対応できないということです。人生の転機というのはほとんどの場合、出費の時期でもあるのです。

たとえば、引っ越しするにしても敷金や礼金、引っ越し代などがかかります。賃貸暮らしの貯金ゼロの方は身動きが取れないということですし、実家暮らしの貯金ゼロの方は、一人暮らしを始められないということになります。

貯金がないことはまた、仕事のキャリアアップのチャンスをなくしてしまいます。たった1カ月給料が入ってこないだけで、生活ができなくなってしまう状態では、転職活動をしようと思ってもできないからです。これももったいない。

さらに、人生のイベントもまた出費の繰り返しでもあります。結婚しかり、出産しかり、住宅購入しかり、子どもの教育資金しかり。どれを取ってみてもお金がかかります(結婚くらいはリーズナブルに実現することも可能ですが)。その度にローンを組んでいては、次の出費もまたローンということになり、いつまでたってもお金はあなたの元に貯まりません。

まず確実に言えるのは、現役生活を送っている間、貯金できないとかなりヤバいということです。「現役生活」?……そう、年金生活に入るとその悲惨さは拡大していくことになるのです。
 

貯金もできない将来は真っ暗だ!(その2)

貯金できない人生の悲惨さは、現役時代にとどまらず、年金生活にも続いてきます。65歳くらいになったら、誰でも仕事を辞めて年金生活に入ることを考えるでしょう。もしそのとき貯金がないとしたら、あなたの年金生活は「国からもらえる年金額=生活水準」ということに自動的に決定してしまうということだからです。

誰もが国の年金だけで老後が暮らせるとは思っていませんし、実際の年金生活者は国の年金を生活のベースにしつつ、手元の貯金等を取り崩しながら老後を暮らしていきます。しかし、あなたの老後に貯金がなかったとしたら、「年金をもらえる範囲で暮らしていくしかない」ということです。

国の年金水準は今よりも引き下げることはすでに決まっていますので(おおむね15%くらいは下がるでしょう)、国の年金だけで暮らしていくことはかなり厳しいと思います。友人と顔を合わせて遊んだりすることも難しくなるでしょうし、時々旅行に行ったりおいしい料理を食べることも無理です。

現役時代で給料がある人は、それでもローンや消費者金融の助けを借りることができましたが、年金生活者については基本的にお金が借りられないと思ってください。つまり、借金を手助けにやりくりすることも不可能なのです。

さらに、現役時代に家を手に入れることができなかったとしたら、国の年金から家賃を引いた分があなたの生活費ですから、世の中の多くの年金生活者(ほとんど家を持っている)と比べれば、さらに生活水準が下がります

もし、65歳以降もそれなりに過ごしたければ、ずーっと働き続けなければならないというわけです。
 

今こそオートマチック貯蓄をスタートさせろ!

貯金ができない人生がどれほど悲惨なものか、少しは分かってきたでしょうか。もし「貯金できるようになりたい!」とあなたが考えるのであれば、お手伝いをしたいと思います。

あなたの性格に合った貯金方法は、ただひとつ。「オートマチック貯蓄」です。「自動的に」「定期的に」「定額を」引き落として積み立ててくれる仕組みをセットし、後は勝手にお金を貯めさせるのです。この方法が良い理由は以下のとおりです。

「自動的に」……自分の意志で貯金するのは辛い!だから、有無を言わせず自動的に積み立てられる仕組みをセットしましょう。

「定期的に」……お金があるときだけ貯金、と思ったら永遠に貯金はできません(だって、使ってしまうでしょうから)。そこで、給料振込日の翌日に定期的に積み立てられる仕組みをセットするのです。

「定額を」……余裕に応じて貯めたり貯めなかったりというのでは「今月も余裕がないのでゼロ」ということになってしまいます。無理のない範囲で(でも手取りの1割は目指してほしい)定額を積立セットしましょう。

一番簡単な「オートマチック貯蓄」の仕掛けは、今のメインバンクの銀行に行ってATM脇においてあるリーフレットを手に入れてくること。「積立貯蓄」と書いてあるものを見つけてきてください。後は「口座番号」「積立金額」「積立日」などを記入してポストに投函するだけで結構です。

上手にやりくりして、貯められるようになったら、スタートしようと考えるのは間違いです。おそらく永遠にうまくいかない可能性が高いです(20代の私もそうでした)。でも、「オートマチック貯蓄」の仕掛けだけセットすれば、あとは勝手にお金が貯まっていきますからとにかく「仕掛けをセット」することだけ実行してみてください。

とにかく「貯金ゼロ人生」はかなり危険です。この記事をここまで読み終えたのも何かのきっかけです。ぜひこのあとATMに出かけて、積立貯蓄の申込をしてみてください。

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