実は働く女性にとって不公平な制度?
ところで、この第3号被保険者という仕組みですが、実は働く女性にとってはあまりトクをしない制度ということがいえます。なぜなら、働く女性が支払った厚生年金保険料の一部分が、専業主婦(夫)の保険料に充当させられているからです。仮に会社員を5つに分けてみます。
(1)妻が専業主婦である既婚男性
(夫が専業主夫である既婚女性)
(2)独身の男性
(3)共働きしている既婚男性、
(4)独身の女性
(5)共働きしている既婚女性、
第3号被保険者は(1)の人の配偶者ということになります。
第3号被保険者の保険料は、厚生年金・共済年金が制度全体で負担していると説明しました。そうなると(2)~(5)の人たちは「保険料の一部が(1)の人の配偶者のために回されている」立場になってしまいます。逆にいえば(1)の人とその配偶者だけがトクをしているというわけです。
独身の男性や共働きしている男性も、関係ない他人の奥さんの保険料を分担させられていることになります。なんだかおかしな話です。
さらに正社員で働く女性についていえば、独身でも共働きであっても、他人の(働いていない)奥さんの保険料を肩代わりしているということになります。20年前とは異なり、今は多くの女性が働くようになりました。共働きも珍しくありません。あるいは生涯シングルで暮らすことも少なくない時代になっています。こうした女性は頑張って働いていますが、保険料の一部が専業主婦に回っているわけです。なんとなく不公平な感じがしませんか。
20年前の制度が現代において違和感を生じるようになっているわけです。
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