第三の力~資産を増やす「運用力」
そして、第三の力は「運用して殖やす力」です。「こんな不景気に運用でお金が増やせるはずはない」という人も多いと思います。しかし、そういう人は運用の方法を勘違いしているのかもしれません。むしろこういう時代こそ「運用力」を高めてみる工夫の余地があるのです。まず「運用は毎日、あるいは数日で儲けるものだ」という発想を捨ててみてはどうでしょうか。いつかは景気も株価も回復するのだろうから、今は安く買えるチャンスと考え、数年スパンで増やせばいいと思えば、今は絶好のチャンスともいえます。株価は何度か値下がりすることもあると思いますが、2009年全体で「安く買う」を考え、2010~2015年頃に儲ければいいのです。
仮に日経平均株価が8000円のときに買えたETFが、5年後に13000円に回復して売れば、年率にして12.5%のリターンが得られたということになります(手数料・税金除く)。
また、「個別の銘柄で儲ける」という発想も捨てたほうがいいかもしれません。今は大手企業であっても、個別企業の倒産可能性を否定できませんし、その事前見極めは日々難しくなっています。有力な企業の選別努力に苦労して、結果が伴わない可能性があるくらいなら、「日本の株式市場全体を買う」くらいのスタンスのほうが分散投資ができているといえます(市場内での銘柄分散)。
具体的にはインデックス型の投資信託やETFを買うといいでしょう。国内株式でしたらTOPIXで運用されるほうがいいと思います。
ただし、2009年モデルの運用においては、以下の2つのルールを設定してはどうでしょうか。
まず「レバレッジはかけない」ことです。実際の資産以上の運用をすると、トクをしたときは何倍も儲かりますが、損をするときも何倍もインパクトがあります。2009年の運用ではレバレッジはかけず、現金で現物を買うといいでしょう。
また、「投資する比率を控える」ことも大切です。資産が100万円あったら100万円株を買うのではなく、50万円にとどめるように自分でコントロールをしてください。50万円の株なら3割減っても資産全体では85万円は残ることになります。どんなに株価が下がっても、リスクを取らない資産を残しておけばその分は減らずにすむわけです。ぜひ考えてみてください。
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お金をコントロールする3つの力について考えつつ、「2009年モデルの工夫」についても考えてみました。2009年は厳しい年になるでしょうが、ぜひ3つの力でお金をコントロールして、手元に上手に残せるようにしてみてください。
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