資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

資産を分散させていい人、いけない人の違い

資産の運用とリスクヘッジを考えた時に、ポートフォリオ(資産の総合的な管理)や資産三分法が重要と言われます。しかし、投資目的や受け入れられるリスクによって、管理・運用の考え方は、人により異なります。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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「資産三分法」は金持ちになってから考えればいい!

よく言われる「資産三分法」というのは、現預金、金融資産、不動産の3つに分けて保有しようというものですね。卵は1つのカゴに盛ってはいけないと言われるように、資産を異なる対象に分散させて保有することがリスクヘッジになるということです。しかし、これは万人に当てはまる法則ではありません。

分散の考え方は人によって異なる

何十億という資産がある人は、資産を守り、目減りを防ぐことが重要な目的になります。しかし、資産が数十万円、数百万円という人であれば、多少リスクにさらしても、運用して増やすことが重要な目的になるかもしれません。

あるいは、まだ20代であれば、多少の失敗はリカバーできますが、定年間近であれば、あまりリスクはとれないでしょう。結婚や出産を控え、出費が予想される人もいれば、独身貴族で稼ぎは全て自分のもの、という人もいるでしょう。

つまり、個々人の資産状況や目的によって、分散すべきかどうか、どう運用するかは異なります。同様に、以前の私のように、資産が300万円しかない場合、現預金100万、株で100万、不動産で100万、なんて全く意味がないことはご理解いただけると思います。

それに、専業投資家ならいざ知らず、私たちは別に本業を持っている忙しい身です。どの株がいいか悪いか、どの投資信託がいいか悪いか、不動産や海外投資はどうか、などと、いろいろな投資対象に同時に手を出す時間はない人の方が多いのではないでしょうか。

にもかかわらず、資産は分散させなければいけない、などと一般論を鵜呑みにしてしまうと、知識も経験も不十分なまま、成果も不十分になってしまいかねません。

最初の投資は選択と集中が必要

ここで、選択と集中という考え方をしてみましょう。一日の中で、投資に費やせる時間は限られています。にも関わらず、同時にいろいろ手を出してしまうと、全てが中途半端になってしまいかねません。しかし、一つのことに集中すれば、短期間で知識が習得でき、技術も上達し、一気にプロレベルまで駆け上がることが可能になります。

投資の対象が変わっても、投資の考え方というのは、全てに共通するものもたくさんあります。ですから、何か一つに習熟すれば、他の投資対象でもコツをつかむのが容易になります。そこで、これから投資をしよう、という人は、株でも不動産でも、何か一つに的を絞って取り組んでみてはいかがでしょうか。

ちなみに私は不動産から入りました。その理由の1つに、習熟するまでは大変ですが、一度コツを掴んでしまえば安定度が高くほったらかしにできる、という点がありました。書店にある関連書籍を10冊以上は読破し、いろいろなセミナーに参加し、毎週のように不動産会社を訪問して物件を見て歩くようにしました。そして、短期間に複数の物件を購入しました。

そうすると、学んだ知識と、実践で経験したことが噛み合い、すぐにプロの業者と対等に会話できるようになりました。物件の目利きも収支シミュレーションも、賃貸付けの工夫も自分でできるようになっていったのです。

そして、不動産である程度の財を築きキャッシュフローが得られるようになってから、次のFXや株式投資を始めました。FXも、最初は米ドルだけ、レバレッジも3倍程度でスタートしてスワップポイントを中心にしましたし、株でも最初は1銘柄だけで売買、というやり方です。

一点集中撃破で一気にプロレベルに!

仕事でもスポーツでもそうですが、一つのことに集中すると、一気に上達します。企画書を月に10本作っていれば、作成のコツがつかめてきます。毎日ジョギングしていれば、最初は1kmしか走れなくても、すぐに5km、10kmと走ることができるようになります。投資でも同じことが当てはまるということです。

もちろん、資産が既に5000万円以上あるような人は、運用と保全の両方を考えなければならないですから、分散が必要です。しかし、それくらいの資産家であれば、むしろアドバイザーを雇って成功報酬でフィーを支払うようにした方が効率的かもしれません。

ですから、資産3分法などはある程度の資産家になってから考えればよいことです。それまでは、一点集中撃破戦略の方がむしろ効率的なのではないでしょうか。

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