資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

メディアが間違い、嘘をつくとき

メディアは間違えるし嘘もつく。そのカラクリと対処方法を知れば、メディア報道に踊る人々のウラをかいて賢く儲けることが可能です。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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テレビ番組のデータねつ造事件が教えてくれたもの

一般人のように、メディアの情報を信じ切ってはいけません

先日、テレビ情報番組のデータねつ造事件を聞いて、私はとても残念に感じています。なぜかというと、「メディアは必ずしも正しいことを伝えているわけではない」という事実が世の中に明らかになったからです。つまり「メディアの伝える情報を鵜呑みにしてはいけない」という真実が、白日の下にさらされてしまったからです。

ではなぜ残念かというと、私は「人はメディア情報に流されやすい」という傾向を逆手にとって株式市場で儲けてきたからです。だから、もし今回の事件をきっかけに、人々がメディアの情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考え行動するようになったら?私はもう株式市場で楽に大儲けすることはできなくなってしまうかもしれません。

実は私は、ローソク足なんてものはまったく読めないですし、PERなんてものも、一切気にしたことがありません。それでも私の株取引は、手前味噌で恐縮ですが、連戦連勝です。では何か特別なことをやっているかというと、全くそんなことはなく、ただテレビのニュースや新聞を見て、株価の推移をチェックして売買しているだけです。


ニュース株を狙うと驚くほど簡単に儲けられる

具体的にはどういうことかというと、私はいつくかの「狙い」を持って株式投資をしており、その一つが「ニュース株を狙う」というものです。

どんな投資にも共通して言えることですが、買うタイミングとは極めてシンプルです。価格が下がっている時です。売る時の相場が良くなくても、安く買えれば安く売っても利益を出しやすいわけです。配当狙いの場合であっても、相場が下がっているからといって企業の業績も悪化するわけではないので、配当利回りも良くなります。

しかし、人は往々にして、価格が上がったときに市場に参加します。その理由の多くは、テレビや新聞といったメディアからの情報に流されるからです。実際には、メディアで「上がっている」「人気急上昇」「今話題の」などと報道されたときには既に時遅しなのですが……。

ということは、逆もまた真なりです。企業の不祥事や減益発表などで、株価は一気に下落します。しかしそれが、その後の企業努力で十分に回復が期待できる場合、株価はおもしろいように元の水準に戻っていきます。個人株主の多い銘柄では、人々はマスコミ報道であわてふためいて損切りに走りますから、本来の企業価値以上に下落しやすいのです。

私は、そうしたニュースによって急落した株を買い、株価が元の水準に戻りかけたところで売却します。こうして、ほとんど頭を使わず、難しい計算もすることなく、1週間前後で投資金額の2割程度の利益をたたき出すことができるというわけです。(とはいえ、あらゆる下落銘柄を買えばよいというわけではありません。この手法については、拙書で解説しています)


日本人は自分の頭で考えられない?

最近、マスコミ情報を疑いもなく信用して行動する人が増えているのではないかと感じることがよくあります。数年前の「だんご三兄弟」の過熱ぶりを覚えている人も多いと思いますが、消費が一極集中で大ブームとなる現象が起きるのは、自分の頭で考え判断することをやめ、マスコミ情報に踊らされる幼稚な国民性を表しているとも言えます。食品だって、過去にもココア、ヨーグルトなどがありましたし、今回の納豆事件と言い、まさしくそういう意味ではないでしょうか。

逆に考えれば、冷静に判断できる人にとっては、日本は非常に儲けやすい国だとも言えるでしょう。ちなみに外資系投資会社のファンドマネージャーの間では、「日本人がマーケットに参加してきた時が撤退する時だ」という噂すらあるくらいです。

自分の頭で考え判断できるあなたは、雑誌やテレビなどで、「これからは○○の時代だ!」などとはやしたてているからといって、同じ方向の船に乗ってはいけません。「皆が売っているときに買い、皆が買っているときに売れ」と言われるように、むしろその背景や裏側を洞察し、逆に向かう船に乗ることを検討すべきなのです。

とはいえ、人間とは忘れやすいものです。例えば「昨年(平成18年に)起こった重大ニュースを10個あげてください」と言われたら、いったいいくつ思い出せるでしょうか。私たちが過去の教訓をなかなか活かせられず同じことを繰り返してしまうのは、マスコミが連日センセーショナルに報道する刺激の連続に、自分の頭でじっくり考えるという余裕をなくしてしまっているからかもしれません。そうだとすると、私やあなたはこれからも「ニュース株」を狙った株式投資で儲けることができるでしょう。

次は、メディアが嘘をつく背景を見てみましょう→次ページへ
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