運は人がもたらしてくれる |
チャンスはリスクという面をかぶってやってくる
私たちの目の前には、たくさんのチャンスが近づいては通り過ぎています。同じ光景を見ていても、行動する人としない人がいます。例えばアメリカに行ったことのある人なら、もう10年も前からクリスピークリームドーナツを見ているでしょう。でも、それを事業化したのはロッテとリヴァンプでした。
「チャンスとは、不可能という面をかぶっているものだ」と言われるように、パッと見ではチャンスとわからないのです。チャンスを見つける「問題意識」と、即断即決して飛び込む「心の準備」が必要だということですね。
事業の損失を通じて得られたもの
「運」とは、他人から見てどうこうではなく、自分で「運がいい」と思えるかどうかですから、「ものの見方」にも左右されます。最近私は、ある事業で大きな赤字を出してしまいました。最初から想定外の出来事の連続で、思惑とは全く違った結果ばかりになってしまったのです。
確かにプランニングの詰めが甘かった。誤った判断もした。コミュニケーションギャップも埋められなかった。個別の問題解決では稚拙なところが多々ありました。しかし、今までにない新たな人たちとの出会い、自分自身や社員の成長という意味では、大変意義のある出来事でした。
もちろん、多くの人に迷惑をかけましたし、周囲への説明では「運が悪かったね」と言われることもありましたが、私自身はむしろ「運が良かった」と思っています。もちろん成功する方が望ましいですが、それに代えられない経験ができました。私はまた一つ、成長することができました。
そして、レッドソックスの松坂大輔もこう言いました→次ページへ