六本木ヒルズのシネコンを立ち上げた人
100億円企業を5年で作るには? |
二度、三度と職を失いながら、電話帳とネット検索で出資してくれる企業にアプローチ。そしてヴァージングループから1千万円の出資を得てヴァージンシネマズジャパンを設立しました。
しかしヴァージンは日本でのシネコンビジネスに資金を投じるつもりはなく、この1千万円を使い切った時点でヴァージンは事業の将来性を再検討するという。そんな状況の中、彼は100回以上にわたって銀行と交渉し、ついには40億円もの資金を調達しました。そして福岡・名古屋・市川の3箇所の大型商業施設で賃貸借契約を結び、次々と建設に着手させました。
論理的に考えれば、実績もなく利益も出ておらず資本金1千万円の会社が、何十億円も融資を引き出すとか、シネコン運営の許可を得るのは無理。そんな計画は無謀に映るでしょう。
実際、千葉県市川市にあるコルトンプラザの出店では、既に実績のある会社のシネコン建設が決まっていたとのこと。でも是が非でもそこに出店したい。彼はどうしたか。
彼は、コルトンプラザを所有・運営する日本毛織とプロジェクトを管理するジオ・アカマツの担当者をロンドンに招き、ヴァージンアトランティック航空の飛行機に乗り、ヴァージンが経営するホテルに泊まり、ヴァージンメガストアを訪れ、ヴァージン鉄道の電車に乗ってヴァージンシネマズを視察し、ヴァージンコーラを飲み、ロンドンのヴァージングループ本社に戻る旅行を手配したのです。
圧倒的なヴァージングループの全貌を見せることで関係者が納得し、コルトンプラザ内に9スクリーンのシネコン建設許可を得ました。このときヴァージンシネマズジャパンは、まだ一件もシネコンをオープンさせていないにもかかわらず。
絶望と情熱の狭間で
彼は、「物事がうまくいかず、絶望に襲われたとき、あきらめという誘惑を拒み自分の目標に100%集中できれば、必ず事態は好転する」と言います。そして、「僕にはわかっている。僕が成功することを信じているんじゃなくて、ただ単に僕にはわかっているんだ。」というほどの強い意志を持っていた。彼はMBAも何も持っていない。でも小難しい理論やフレームワークを知らなくても、そこに強い意志があれば、局面を打開できる。彼は「ビジネスプランに必要なのは数字と情熱」と言いますが、情熱と理論がバランス良くミックスされれば鬼に金棒でしょう。
りんごとアップルが同じ意味をさすように、苦労とやりがいは同じ意味をさします。同様に情熱と問題解決も同じ意味をさすのでしょう。(参考:「ポップコーンはいかがですか?100億円企業を5年で作った男」山本マーク豪 著 新潮社)←久々にアツい本を読みました。
壁を突破し目標を達成するには
ただ実行しても、多くの場合は壁にぶつかる。それを突破する決断力と行動力が求められる。前述のように、「死ぬ気でやる覚悟」があれば、実は僕たちが日々直面するビジネス上の問題の多くは解決できるのです。決断と意志決定は違う。意志決定はロジックでできる。でも決断は意志であり覚悟です。
彼と比べれば、私もまだまだ未熟者ですね。
今年もあと4ヶ月。
収入を高める決断と行動を、さらに加速させるぞ!