その投資で本当に儲かるの? |
誰でも証券会社で買うことの出来る投信で、残高100億円以上の日本株投信136本の中で、2007年度の運用成績がプラスだったファンドは何本あると思いますか?
リーマンショックが起こる半年以上前の成績です。
答えはなんとゼロです。
つまり、136本全てのファンドがマイナス運用だったわけです。
下落率が一桁だった投信は一本だけで、あとは20%を超える下落率。確かに2007年8月にサブプライムローン問題が勃発し、日経平均が27.5%下落したとはいえ、プロが運用してもこのありさまです。
株を組み込んだ投資信託は、株価の上昇局面でしか儲かりません。つまり先物取引やFXとは異なり、下落局面では指をくわえているしかないわけです。では、今後の株価上昇は、どの程度見込めるでしょうか。
金融商品の多くは、不景気の時に仕込み、好景気の時に売ることでしか成功しにくいのではないでしょうか。
僕たちは生きているうちに、景気が良くなったり悪くなったりするという景気循環を経験し、好景気と不景気は繰り返すということを知っていますが、いつ上がるか、あるいはいつ下がるかは誰にもわかりません。
実際、投資信託で儲け続けられた人の話はどれだけあるでしょうか。私は投資信託を勧めるお金持ちの人に出会ったことがありません。投資信託を勧める人には、こう聞いてみたいです。「あなたはどれだけ儲かったのですか?」と。
そもそも投資信託とは誰のための商品でしょうか?僕の個人的な意見は、「金融機関が儲けるための商品」です。金融機関に従事する20万人もの人たちを食わせるために、投資信託を売っているように、僕には映るのです。
たとえばクルマを買ったら、移動が快適で便利になるという価値がもたらされます。健康食品を買ったら、病気になりにくい体になるという価値がもたらされます。では投資信託は、どういう価値をもたらしてくれる商品なのでしょうか?
私の感覚では、投資信託を買うのは、宝くじを買うのに似ています。「お金が増えるかも」という夢を売っている。そして、宝くじが国に対する寄付と同等なように、圧倒的多数の人が、金融機関に手数料という形で寄付している。そして、気づいたときには、お金はもっと減っているかもしれない。
さらに、投資信託はマーケットの変動にさらされますから、「どのタイミングで買うか」という時期も非常に大切です。
あなたが買っている、あるいは買おうとしている投資信託は、いったい何に投資されていて、どんな条件の時に儲かり、どんな条件の時に損するか、わかっているでしょうか。金融機関やFPがいいと勧めてくれたからではなく、「自分が何をしているのか」を理解してお金を払いたいものです。