表示された2つのキャラクタ。片方は、上下左右のキーで動かせる。 |
SpriteとSpriteSet
これは、char.gifを読み込んで、2つのスプライトを作成し表示するサンプルです。1つは、上下左右のキーを押すことで、10ドットずつ動かすことができます。
スプライト機能は、「Sprite」と「SpriteSet」という2つのクラスによって実現されます。これらは、それぞれ以下のような働きがあります。
Sprite――これが、キャラクタを表示するスプライトに相当するものです。表示するイメージや位置に関する情報を保持しており、また位置や大きさに関する設定などのメソッドがあります。
SpriteSet――複数のSpriteインスタンスを管理するクラスです。ここで利用するSpriteをまとめておくことで、それらを一括して画面に描画したりするのに利用できます。また、衝突判定などに関するメソッドが用意されており、Sprite同士の衝突処理を簡単に行えます。
では、スプライト関係の機能がどのように利用されているか、見てみましょう。まず最初に、表示用のイメージの準備を行います。
MediaImage mi = MediaManager.getImage("resource:///char.gif");
mi.use();
charImg = mi.getImage();
まぁ、このあたりは既に学習済みですからわかりますね。リソースからMediaManagerを使ってMediaImageを読み込み、そこからImageインスタンスとしてイメージを取得します。
続いて、Spriteインスタンスの作成です。今回は2つのSpriteインスタンスを作成していますが、重要なのは「使用するSpriteは、すべて配列としてまとめる必要がある」という点です。これは、この後で登場するSpriteSetでSpriteを利用するために必要な措置です。
sprites = new Sprite[2];
sprites[0] = new Sprite(charImg);
sprites[1] = new Sprite(charImg);
これが、インスタンスを準備しているところです。まず、Sprite配列を用意し、配列の各要素にnew Spriteして作成したインスタンスを設定します。newする際には、表示に使用するImageインスタンスを引数に指定します。これで、そのイメージを表示するSpriteが作成されます。
sprites[0].setLocation(50,50);
sprites[1].setLocation(100,100);
続いて行っているのは、各Spriteの表示場所の設定です。作成したSpriteは、初期状態では位置は設定されておらず、すべて0,0の場所に表示されてしまいます。ですので、作成後に「setLocation」で表示場所を設定してやる必要があります。
set = new SpriteSet(sprites);
Sprite配列の準備が整ったら、SpriteSetインスタンスを作成します。これは、引数にSprite配列を渡して作成します。
こうして作成したスプライトを画面に描画するのは、実に簡単です。paintメソッドを見てください。
g.drawSpriteSet(set);
たったこれだけ。「drawSpriteSet」というメソッドを使ってSpriteSetを描画すると、そこに設定されているすべてのSpriteが描かれます。実にすっきりと表示をまとめることができるでしょう?