Javaプログラミング/はじめてのJava

Javaは、どうやって学ぶの?(3ページ目)

Javaを勉強しよう!と思っても、何からどうやって始めればいいんだろう‥‥そう思っている人に、『Javaの学び方』についてお話しましょう。

執筆者:掌田 津耶乃


この順番に勉強しよう!


いざ勉強しよう!と思ったはいいけど、どういう順番に勉強していけばいいのだろう‥‥と悩むことはありませんか。特にJavaの場合、非常に幅広い活用がされていますから、何から手をつければいいかわからず途方にくれている人も多いことでしょう。そこで、どういう順番に勉強をしていけばいいか、ざっと整理してみます。


■まずは基礎的な文法をしっかりと!
最初に覚えるべきことは、「値」「変数」「制御構文」の3つです。これらは徹底的に頭に叩き込んでおきましょう。更にJavaの場合、「クラス」「メソッド」「フィールド」というものについて理解する必要があります。これらはちょっと難しいのですが、ここでいい加減にしておくと先にいって苦労するので、時間をかけてじっくり理解していってください。

■AWTを覚えよう!
Javaには、GUI(ウインドウやメニューといった視覚的に操作するもの)を作るために「AWT」と呼ばれる部品が用意されています。基本的な文法がわかったら、このAWTの使い方を中心に勉強していきましょう。「僕はサーバのJavaをやりたいから関係ないな」と思っている人も、AWTはしっかりやっておいてください。AWTはJavaのもっとも重要な機能です。サーバ側の開発をやる場合でも、例えばグラフィックイメージを処理するようなときには必ずAWTのお世話になるのです。

■標準のクラス類を少しずつ学ぼう
AWTがある程度わかってきたら、平行して「java.lang」「java.util」と呼ばれるパッケージ(Javaに標準でついてくるものです)の使い方を少しずつ勉強していきましょう。これらの中には、プログラムを作成する上で役立つさまざまなユーティリティ機能がつまっています。また、これらがわかってきたら、続いてjava.ioパッケージというものも勉強しましょう。これはファイルアクセスなどに関する機能をまとめたものです。ここまでくれば、Javaのビギナーは卒業といっていいでしょう。

■それぞれの専門分野に進むのはここから!
ここまでが、「Javaの基礎」となる部分です。どんな道へ進むにしろ、ここまではすべて共通です。ここまでのものは、どんなプログラムを作るにしろ必ず勉強しておくものと考えてください。

ここまできたら、後はそれぞれのやりたいジャンルごとに分かれて勉強していきましょう。Javaの一般的なアプリケーション開発をしたい人は、「Swing」と呼ばれるGUIライブラリを。サーバサイドの開発をしたい人は、「JSP」「サーブレット」と呼ばれる技術を。iアプリなど携帯端末の開発は、NTT-docomoなどの提供するiアプリ用Javaライブラリ(DoJaといいます)を。‥‥という具合に、各専門ごとにその分野の勉強に進むとよいでしょう。


Javaマスターのための心得!


ここまできたら、今すぐにでも勉強を始めよう!と思っている人もいるかも知れませんね。思い立ったが吉日です。どうかがんばってください!

‥‥ですが、その前にもう一つだけ、プログラミングを勉強していく上で頭に入れて起きたい心得のようなものを最後にあげておきましょう。

■全部覚えないこと!
プログラミングを始めると、最初に陥りがちなのが「何もかも全部暗記しようとする」ということです。多くの人は、これをやって落ちこぼれるわけですね。

プログラミングで「これはすぐにでも暗記しなければいけない」ということは、実はそう多くはありません。基本的な文法、値や変数、オブジェクト指向の基本的な知識、それぐらいです。それ以外のものは、まぁ覚えていれば便利ではありますが、覚えなくてもそう困りはしません。

なぜって? 今はどんなものであれヘルプで簡単に調べられるからです。また多くの開発ソフトでは、入力する命令などを支援するための機能が揃っており、何もかも自分で暗記していなくてもプログラミングできるようになっているんです。ですから、「だいたいこういう命令を使ってやればいい」という程度に覚えれば後はなんとかなるのですよ。

■あまり高度なことばかり考えない
プログラミングがどういうものかわからないうちは、とかく威勢のいいことばかりいってしまいます。「フォトショップのような強力なグラフィックツールを作ってみたい」とか「リネージュのようなネットワークゲームを作りたい」とか。はじめにいっておきますが、そうしたものが作れるようになるのは、どんなにあなたが優秀でも数年先です。そこまでは、あなたが考える以上に長い道のりとなるでしょう。

もっと、すぐに到達できる身近な目標を考えながら勉強をしていきましょう。グラフィックツールを作ってみたいなら、まずは図形を描く、マウスで操作する、グラフィックを保存する、そうした1つ1つの機能を着実に習得していきましょう。その積み重ねが、最終的な目標へと導いてくれるはずですよ。


以上、プログラミングを始める前に頭に入れておきたいことについてまとめてみました。要するに、手を抜くところは抜き、やるべきところはやる、それに尽きます。最初からすべてがんばりすぎたり、すべて手を抜いていたら続けるのは難しいでしょう。「どうすれば長続きできるか」というのが、実はもっとも大切なことかも知れませんね。
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