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音楽レーベルPutumayoで働く女性<前編>(2ページ目)

Putumayoというワールドレコードレーベルの会社で、セールス&マーケティングマネージャーとして働いている淀村恵さんにインタビュー。

執筆者:溝口 弘恵

自社の製品を愛せますか?

恵さんのオフィスにて
世界各国の人が働いていて、インターナショナルレーベルにぴったりなオフィス
恵さん:
Putumayoのワールドミュージックに興味がありました。ポップスは私向きって感じではなかったのもあって、どうせやるなら好きな音楽のために働きたいというのがありましたから。Putumayoで働けることになってよかったです。

日本で働いてたころ、会社(船のエンジンなどを扱う会社)で上司に、「自社の製品を愛してください」って言われたことがあって、船のパーツとかってピンとこなかったんですけどね(笑)。今度はぜったい自分が働くなら、愛情を注げるものって思ってて。仕事してる時間っていうのは、人生のうちで大きな時間を費やすわけですから。

引き抜いてくれた上司は、いろんなことをやらせてくれました。マーケティングのアシスタント、A&R(Artist & Repertoire:選曲やアーティストの方向性について決めていくレコード会社の中心的な役どころ)、リーガルの分野、インターナショナルなど。

音楽の世界って、実は職につくって難しいんですよ。音楽の好きな人たちが情熱をもってやってくるから、いくらでも働き手がいるわけで。だから、どんな仕事でも、これやりたいって思ったら、ターゲットをしぼってひたすらがんばることです。「なんでも、仕事があればいいです」じゃ、採ってもらえません。専門があって、経験があってこそ採用されます。

海外出張も女性一人で

ガイド:
仕事をしていて楽しいことは?

恵さん:
いろんな人とコミュニケーションができることです。人と会うことが好きだから。年齢性別、人種は問わず、男性ばかりだったとしてもOK。日本人だからといって、日本人ばかりでかたまったりしなくても平気ですよ。

セールス、マーケティングの出張も一人です。仕事でなければ行かないであろうボンベイにも行きました。外国人がいないからか、目立ちました。インド人以外は、そこに全くいなかったんです。チャイニーズか日本人か、わらからない私を、通りすがりの人が、みんな振り返って見ていくのが妙でしたよ。

ボンベイには数回行ったのですが、まずはディストリビューター探しから始まって。何社か会って、市場をみました。どういう風に、CDが売られてるかとか、値段や、どういう音楽がかかってるか、現地で、いい音楽をみつけるというのも仕事です。ディストリビューターが決まってからは、セールスやマーケティング、どういう風に売るかといった戦法を考えます。

ガイド:
ボンベイでの売れ行きはどうですか? 貨幣価値のちがいなどは、どういう風にカバーするのですか?

恵さん:
インドってローカルな音楽が豊富だから、インドのなんとか地方の音楽とかって、それぞれ地域によって音楽のブースが分かれているんです。インターナショナルのコーナーは、小さい一角。それでもPutumayoのアジアングルーブはよく売れて、インドのワールド・チャート9位にのぼったんですよ。CDの値段は、Putumayoではマジックプライスっていって、安くても高くてもダメなので、その国々の市場で一番価値のある特性化を考えてます。

ガイド:
日本への出張も多いそうですが、どういう風にセールスしているのですか?

恵さん:
プテュマヨ(Putumayo)のCDは全国のレコードショップさんでお求めいただけます。ノントラディッショナル(レコードショップ以外の小売店)に関しては東京に拠点を置くPutumayoの佐藤美和が担当していますのでお気軽にお問い合わせください。ニューヨーク本社で働いてるアジア系ワーカーは私だけで、アジアをすべてまかされてるので、大忙し。夜中の1時とか、明け方まで仕事してることもあります。




音楽レーベルPutumayoで働く女性<後編>では、恵さんの仕事での苦労話、NYで働きたい人へ恵さんからのアドバイスなど盛りだくさん!


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