渡米資金のため英語を教えて荒稼ぎした日本での学生時代?! |
昭和30年代に東京に生まれた人たちは、ユキちゃんに言わせると、特に海外志向が強かったそうだ。彼女も同じく子供の頃から欧米に憧れ、いつかは行くんだと心に決めていたという。高校卒業後、イギリスに行く奨学金を使ってロンドンに行った。
既に語学力はあったので、英語を勉強するつもりで行ったわけでなかったせいか、イギリスという国には落胆させられた。英語を話す日本という印象だったのだ。違う発想とか違う文化に触れたかったのに、イギリスは日本のように、どれほどイギリスで努力して専門職についたとしても、ユキという日本人は日本人であって、永遠にイギリス人にはなれないのだという。
その後、アメリカに留学したかったが資金がなく、とりあえず上智大学の国際学部(現・比較文化学部)に入った。授業が全部英語だからという理由、ともかく英語はビジネスでも通用するほどに上達。学生をやりながらアメリカにくるための資金集めをはじめた。上智大学の学生という肩書きのおかげで英語を教えるというアルバイトで荒稼ぎできたのだそうだ。
「貧乏学生とかに英語を教えるのには、そんなに取らないんだけど、ビジネスマンのお金持ってそうな男性からは、ガッポリもらっていた。少ないときでも月に25万円、多い時には45万円くらいになった。若い頃からビジネスセンスがあったのね(笑)。」アメリカへ渡るという目的のためにわき目もふらず仕事をしたユキちゃん。
「ただし、お金儲けのために仕事したのは、この時だけだった。好きじゃないと仕事はつづけられない。」数百万円もの資金が貯まったころ、上智大学に休学届けを出すことも忘れ、アメリカ、カリフォルニアにあるバークレー大学目指して、留学するためのリサーチに日本を飛び立った。