日本では蚊取線香に、蚊取りマットやリキッドのものまで蚊の駆除には事欠かないのだけど、アメリカでは、虫除けスプレーと蚊取りキャンドルぐらいしかない。またこの蚊取りキャンドルも今ひとつ効き目が少ない。
そもそもマンハッタンではこうした蚊取り製品も、蚊が少ないので使うことはない。というのも保健所が薬を撒くからだ。夜中に大きな車でバンバン薬を撒いてまわる。蚊を介して感染するウエストナイルウィルスを予防するためだ。
ニューヨーク市では1999年に西半球で初めてウエストナイルウィルスの感染者が発生した。症例の一つには40度以上の高熱と激しい頭痛を訴える87歳の女性がクイーンズの病院にかつぎこまれた。6日後には知能低下や幻覚症状を起こして死亡したという。
1ケ月後、他の病院でも37人も同じ症状の患者が報告され、その内4人が死亡した。その後も毎年かなりの人が感染している。
西アフリカから渡ってきた鳥がウエストナイルウィルスの保有宿主なのだが、蚊を介して感染するウィルスで、特に抵抗力の少ないお年よりや子供は死に至るほどの怖いものだ。未だ有効な治療法は発見されておらず感染者の15%が死亡している。
2001年のNY州保健局によるウエストナイルウィルス感染の報告では、732羽の鳥が感染後に死亡、生存してる鳥の71羽が感染。15人の人間が感染し2名は死亡している。
これから夏にはキャンプなど蚊の多い場所へ行くことも多い、その際には長袖、長ズボンといった蚊に刺されないような格好をするなど、独自の予防策も必要だ。
各保健局のウエストナイルウィルスホームページ
ニューヨーク市保健局
http://www.nyc.gov/html/doh/html/wnv/wnvhome.html
ニューヨーク州保健局
http://www.health.state.ny.us/nysdoh/westnile/index.htm
West Nile Watch-Top ウエストチェスター郡保健局
http://www.co.westchester.ny.us/health/Westnile.htm
ニュージャージー州保健局ウエストナイル脳炎
http://www.state.nj.us/governor/westnile/index.html