日本人にとって、ニューヨークほど住みやすいところはない。寿司にすき焼き、しゃぶしゃぶに居酒屋。日本食なら、なんでも揃っているからだ。だが最近、困った現象が起こっている。日本食のレストランにアメリカンが列をなすからだ。列の長さはマックやバーガーキングどころじゃなく、毛皮を着たアッパーイーストのリッチな白人女性の姿をダウンタウンの蕎麦屋で見かけるほどである。

LANはダウンタウンでも人気のしゃぶしゃぶや、すき焼き、焼肉まで、肉を専門に寿司も美味いと評判のレストラン。ミートマーケットでセリをやっていた男性がオーナーの一人だけあって、肉は厳選された美味しい部分しか出さないという。だから、アメリカの肉でも和牛のように柔らかい。最近では、ここに日本人ばかりでなく日本人以外の人が列をなす。以前は、心置きなく入ってラーメンをすすることができたのに、人気のレストランとなってしまってからは、週末の1時間待ちなんて常識だ。

日本人の若い子がタムロっていた『焼き鳥大将』のカウンターにも白人男性が集う。梅干入りの焼酎お湯わりを目を細くして口にする白人のおやじは、なんだか日本のサラリーマンを彷彿とさせる。そうして奴らのせいで私たちが豚キムチや焼き鳥を囲み、くつろいでいた空間は占拠されてしまったのだ。

日本食のレストランが新しくオープンするのは有難いが、美味いとわかると列ができて、すぐに私たち日本人の居場所がなくなってしまうのは、ちょっぴり寂しい。蕎麦屋にまで進出してきたのはアッパーイーストにしか出現しないはずの中高年の毛皮を纏った白人女性たち。「そうざーますのよーおほほほほー」などと笑いながら列をなしている。彼女らは当然のごとく蕎麦を箸で食べる。<現在、箸を使えないニューヨーカーは、ほとんどいない。> 然らば、蕎麦を食べるのも音はきちんと立てて食べることが常識だと教えてあげたい。


イーストビレッジに住む日本人は多い。日本食レストランにスーパー、ビデオ屋に至るまで、日本のものに不自由することはない。


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