「忘却巡りの旅」の終着点、新港ピア
もうひとつの主会場が新港ピア(新港ふ頭展示施設)です。ワンフロアの広々とした会場内では、第10話と第11話の展示が見られます。こちらの作品のほんの一部を紹介します。第10話:洪水のあと
やなぎみわ氏の作品を鑑賞し、海側へと進んでいきましょう。右のエリアは第10話が挿入された形になっています。こちらは「福岡アジア美術トリエンナーレ」乗り入れ企画の映像作品が並びます。第11話:忘却の海に漂う
「第10話」の向かい側には、横浜美術館のグランドギャラリーや第1話、第6話にも展示されている笠原恵実子氏の「OFFERING-Collection」が写真作品、立体作品で見られるエリアが。世界各国の教会に設置されたoffering box(賽銭箱)を撮影した写真と、それをもとに制作した賽銭箱が「お金をいれてください」といわんばかりに口を開けて並んでいます。ガラス窓の向こうに海が見える最後のエリアには、大竹伸朗《網膜屋/記憶濾過小屋》が、どーんとそびえています。本をモチーフにした作品が多い大竹氏の「本の形をとったボート」といえる新作です。このボート本に乗って、忘却の海へ漕ぎ出そうというメッセージなのでしょうか?
「忘却」という名のカフェで旅の余韻にひたる
窓側には「Cafe Oblivion/カフェ・オブリビオン」があります。本展の会場空間構成を手がける建築家 日埜直彦氏が設計し、カモメの翼のようなモチーフが天井に飾ってあります。ケーキセットや軽食のほか、展覧会タイトルにちなんだ「菓子451(1250円)」の販売も。「オブリビオン」とは、英語で忘却という意味。ここで「忘却めぐりの旅」の余韻にひたってみては。
この3つの作品についての解説は、会期中、横浜美術館の展示室5で随時開催(14:00~)されます。※実施しない日もあります。
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