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夏の東京社会科見学 迎賓館は日本のヴェルサイユ(2ページ目)

毎年7月末~8月初めの10日間、迎賓館・赤坂離宮が一般公開されます。都心の真ん中にある、ネオ・バロック造りのお城。ちょっと一緒にのぞいてみませんか。

執筆者:妹尾 みえ


■日本のヴェルサイユへようこそ

 地上2階、地下1階、延面積15.000平方メートル。明治時代に片山東熊以下、当時の一流建築家・美術工芸家が一丸となり、ヴェルサイユ宮殿を模したネオ・バロック様式の“お城”です。
 この片山東熊は、東大出身の日本で初めての建築家と呼ばれる人。明治時代にこれだけのヨーロッパ文化を取り入れた手腕はたいしたものです。

 ただ。皇太子殿下・嘉仁親王(後の大正天皇) のご成婚後の新居として建築されたのこの宮殿、生活面での使い勝手は今ひとつだったのか、ほとんど使用されなかったそうです。片山氏、張り切りすぎたのでしょうか。
 なお、昭和に入っての改修は村野藤吾が担当しています。広島の平和記念講堂、大阪新歌舞伎座、早大文学部…を設計した昭和を代表する建築家のひとりですね。


  近くに行って初めてわかったのですが屋根に鎧甲の武士がのっかってます。内部にも素人目からするとフッシギな和洋折衷デザインが。


■キンキラキンではなく華麗

 建物内部は残念ながら撮影禁止でした。警備はなかなか厳重で、空港みたいに持ち物チェックもありましたよ。でも、公式サイトには素晴らしい写真が掲載されていますので、そちらをぜひご覧ください。

 最初は宮殿と聞いて、キンキラキンの装飾ばかりなのでは?と危惧していたのですが、さすがに“本物”の美しさは違いました。シャンデリアひとつとっても、デザインに品と重みがあります。余計な主張がないのです。

 友人ともども感心しっぱなしだったのが、天井に36枚の油絵を配し、壁面には花や鳥の描かれた30枚の七宝が飾られた「花鳥の間」。公式晩餐会が催される間だそうです。個人的には「羽衣の間」中2階にあるオーケストラ・ボックスもお気に入りです。
 
 とその一方で、素直な感想は「ゲームの世界みたいだね!」。
 そう、ドラクエやFFでさんざん訪れたあのお城の中にいるような気分でもありました。

 

 戦後は一時、国会図書館に使用されていた時期もあるとかで、こんなとこで勉強できたらめきめき才能が伸ばせそう…なんて。



●さて、お庭に出てみましょう!→

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