2009年新発売「iPod nano」(第5世代)の概要
2009年9月10日、人気の「iPod nano」に新型が登場しました。製品名が同じで毎年新型が登場するため、一般的に新型と旧型は「世代」で区別される事が多く、今回の新製品は「第5世代」にあたります。先代の第4世代に比べ、今回の第5世代は外観こそそっくりなものの、液晶画面が先代よりも一回り大きい2.2インチに。ビデオ撮影機能、FMラジオ受信、スピーカー内蔵など、機能面で飛躍的な進化を遂げているので要注目です!
今回は、そんな進化した「iPod nano」の新機能を中心に、AVクオリティーや使い勝手についてレポートします。
目玉のビデオ撮影機能
先代と同じ薄小ささで、ビデオ撮影機能が追加されたと知った時は、ちょと驚いた反面、撮影品質を含め、実用性が低いのでは?といった印象でした。なぜならば、スペックとしては、VGA(640x480)/30fps/H.264圧縮と、最近のトイカメラに比べて特段優れているとは言えない為です。
ところが実際に撮影して映像を確認してみてみると、これがなかなかの高品位。
映像の粗が目立ちやすい、木の葉がそよぐ様子、水面の波が光をキラキラと反射する様子、噴水で水が躍る様子なども、ブロックノイズを感じない滑らかさで撮影できました。
発色もナチュラルで、これ程の高品位な映像が、「iPod nano」のような薄小さな音楽プレーヤーで撮影できるのは、注目に値するでしょう。
基本品質はそれくらいにして、驚くのはここから! Appleが一味違うなと感じたのは、撮影時に各種面白視覚エフェクトが利用できる点。
通常の撮影に加え、監視カメラ風、フィルム撮影風、サーモグラフィー風、X線撮影風などなど、より「楽しむ」ための工夫は流石です。
ビデオカメラ専用機を構えるのとは異なり、簡易的にちょっと面白映像を撮って、仲間で見せ合って遊ぶような用途には、ピッタリはまりそうです。
この面白エフェクトは、撮影前に、異なる4種類の効果が実写動画でマルチ表示されるので、確認と選択も簡単です。さらに、それぞれの視覚エフェクトが大変センス良く、例えば、「フィルムグレイン」では、古いフィルム映画の雰囲気が見事に再現され、「監視カメラ」では、映像のノイズ感や揺らぎ感など、デフォルメ感が秀逸で、これなら動画撮影が何倍も楽しくなりそうです!
蛇足ですが、もちろん、通常のビデオカメラと同様に、音声も同時に録音されますので、ご心配なく。 一方、静止画は撮影できませんので、ご注意を。