30代から、貯蓄額に大きく差が開く時期
30代は、貯蓄がある人とない人との差が開きはじめる時期です。30代の平均貯蓄額は約265万円ですが、貯蓄が500万円以上のある人が36.5%、1000万円以上ある人が11.3%いる一方、「貯蓄がない」という人が約31%もいます。(※)この貯蓄がない人の中には借金がある人も含まれていて、「もう貯蓄は無理」と一度あきらめてしまうと、残念ながら貯蓄がある人との差はどんどん開いていってしまいます。50代くらいになってあわてて貯蓄を始めても、働いて稼げる時間は残りわずか。大きな金額にはなかなか到達できません。30代が、貯蓄を挽回できるラストチャンスなのです。
※「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」(平成28年)
貯蓄は、収入ではなく「意識」がポイント!
では、貯蓄がある人とない人との差ができている原因は、いったいどこにあるのでしょうか?「収入がたくさんあればそれだけ貯められるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、実は収入よりも「意識の問題」がとても大きいのです。
収入が多い人は、「今は貯まっていないけど、そのうち稼いで貯めればいい」という意識が働いて、なかなか貯められないケースが多いものです。その反面、収入が低い人は、「今後収入アップがのぞめないから、住宅資金や教育資金のために今からコツコツ貯めておかないと」と貯蓄を意識している人が多いのです。
たとえば、600万円の年収と300万円の年収の人とは、年収には2倍の差があっても、貯蓄額にさほどの開きはないものです。むしろ、600万円の年収の人よりも、300万円の年収の人のほうが貯蓄額が多いケースも多々あります。
だから、30代のうちから「年収が低いから貯蓄は無理」「自分は貯蓄できる性格ではないから」などと考えてしまうのはとてももったいないこと。「自分は貯められる」と意識を変えてみることが、貯蓄額をどんどん増やしていける近道なのです。
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取材・文/西山美紀 監修/畠中雅子(ファイナンシャル・プランナー)