防災/防災関連情報

地震対策の落とし穴(2ページ目)

にわかに防災関連の番組が増えるこの時期。雑誌も関連特集が数多く組まれている。それ自体決して悪いことではないのだけれど、本当に役に立つ情報は実はほんのわずか。というのは一体どういうことなのか?

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

災害被害のリスクから家族を守るために

非常袋2
避難所の生活は想像以上に過酷です。そして首都圏で大規模な地震災害が発生すれば避難所に入れない人が多数発生します。
まず、自治体や公的機関によって、自らが守られるという幻想を捨てること。自分や自分の家族を守るのは「自分自身」しかないことに早く気づきましょう。地震発生で万が一自分の家族が家屋の下敷きになって閉じ込められたとしたら。数時間以内に自衛隊が来て、特殊部隊が来てすぐに助け出してくれると本当に信じていますか? 地震で火災が発生し、自宅が火に包まれようとしている時に、消防車が真っ先にそれを消火してくれると思いますか? いずれも可能性は低いでしょう。 
大規模な地震災害が発生すると、そのような状況が同時多発的に発生します。公的な機関があなたのところへ真っ先に来てくれるということはありません。特に大規模な地震火災が発生した場合には、延焼を食い止めるのは大変困難なことになります。消防車は地震火災の発生時を想定して台数を用意されてはいないのです。ゆえにいくつもの火災が重なれば、あなたの自宅に消防車は永久にやってこないかもしれないのです。

大規模な地震災害では公的な機関に勤める人も被災します。自分やその家族の安全が確保され、体制が整ったあとに救援活動に向かうことを誰も否定できないでしょう。まずは自分自身の住居、地域に災害が発生したときに、どんなリスクが発生するかを確認すること。そしてその対策を練ること。そして自分自身の準備とともに地域住民の間に協力しあえるコミュニティが存在するかどうかも大きなポイントです。

阪神淡路大震災で倒壊家屋から助け出された人のほとんどが近所の住民によるものでした。もしも自分や家族が負傷したり動けなくなった場合、助けてもらえるかどうか、日頃からの助け合いや協力体制があなたの生存リスクを大きく左右することを認識しましょう。ぜひこの「防災の日」を機会に自分とその家族の安全を確保するために、コミュニティ作りを考えてみてはいかがでしょうか。


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