防災/災害の種類と対策

ゲレンデになぜ雪崩が起きたのか?(2ページ目)

先日、白馬栂池ゲレンデ内にて雪崩事故が発生。引率者がいたにもかかわらず、二名の犠牲者が出てしまいました。「ゲレンデで雪崩なんて起こるわけない」と思っている人。冬山の危険について検証します。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

どんな時に雪崩は発生するのか

雪山
きちんと管理されていない雪山は危険がいっぱい。十分な装備もなしに入ることはゆるされません。
雪崩には大きくわけて表層雪崩と全層雪崩の二つの種類があります。前者は冬場のハイシーズンに多く発生し、後者はこれから春先にかけて発生しやすくなるものです。昨シーズンは記録的に雪が少なかったために事故数も少なかったのですが、今シーズンは昨日も、大雪が何度もあったために1~2月は表層雪崩、春先3~5月には全層雪崩の危険が常にあります。表層雪崩は主に一晩に大量の降雪があった翌日などに発生し、それまで振り積もった表面の軽い雪が一気に落ちてきます。これは雪崩の速度も早く、破壊力も大きいことで知られ被害も大きくなります。

また、春先に起きやすい全層雪崩は気温が急激に上がった時などに多くみられ、山腹に積もった雪が地表面を残して、全てすべり落ちる現象で、過去に雪崩が発生していた斜面に発生したり、斜面に破断面などが発生しているなど、表層雪崩に比べると、被害を防ぎやすい雪崩といえるでしょう。

いずれにせよ、前出の事故はいうまでもなく「ルール破り」によって発生しています。ゲレンデ内での事故は数多くはありませんが「立入禁止」区域での雪崩はシーズン中は多くの場所で日常的に発生していると言ってもいいでしょう。知識のない人には一見、安全そうに見える場所でも、そこには必ず禁止の理由があるはずです。すべてのレジャーはルールを守ってこそ楽しめるもの。ぜひこれからゲレンデに遊びに行くときは以上の注意を守ってください。


【関連サイト】
国土交通省・雪崩の解説

日本雪崩ネットワーク

爆弾低気圧と雪崩
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