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もしも原発が震災で破壊されたら?

柏崎刈羽原発で起きた震災による事故は、日本全国にある原発の周辺住民だけでなく、多くの国民の関心を呼ぶことになりました。これだけ震災の多い日本で原発がエネルギー源として正しいのでしょうか?

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

新潟で起きた、今回の中越沖地震で、柏崎刈羽原発では、当初伝えられた事実から、次々と、新たな被害発生が明らかになりました。特に原発敷地内で起きた、黒煙を上げる火災の映像は周辺住民ならずとも「原発事故」の可能性を危惧したのではないでしょうか。7月31日の朝日新聞では、この柏崎では原発で確認された史上最大の揺れ2058ガルが計測されていたことが明らかになりました。これは建設時想定の6.8倍の揺れに相当し、地震想定の基準が全く甘かったことが露呈しました。

もしも原発が震災で破壊されたら?

原発
新潟中越沖地震による柏崎刈羽原発の被害によって、日本国民は大きな「警告」をもらいました。次に起きる震災でこの被害を上回る事故が起きないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?
特に今回、日本国内全ての原発において「地震火災」発生時のマニュアルがないことが明らかになり「地震時」「火災時」それぞれのマニュアルのみだったことも大きな話題になりました。大震災時には公的な消防力に期待することはできず、自主消化に頼るしかないことは想定されていなかったのでしょうか?黒煙を上げながら一向に消化活動の進まない原発の映像を見ながら「原発行政」の不備を、とても深刻なものと感じました。

現在、日本の電力は平均で30%以上を原子力に頼っていて、もっとも依存度の高い関西電力では60~70%もの比率になっています。しかし、地震多発国であるこの日本で、最大のリスクとなる可能性の高い原発は海外の人にとっては「クレージー」としか映らないでしょう。これまで何度も事故や被爆者を出した原発事故は行政に「警告」とならないのでしょうか。この柏崎は首都圏の電力の供給をする東京電力の管轄であり、東京で暮らす自分にとっても他人事ではすまされない事故でした。

しかし国内では、今でも地震被害に遭う可能性の高い地域で、いくつもの原発が稼動しています。果たしてその原発の安全性は守られているのでしょうか。中でも御前崎にある浜岡原発は東海地震の想定震源域の中で運転されていて、誰が考えても大変なリスクを抱えていることは明白です。

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