ただの漫画で終わらない内容
(C)Furuya Usamaru/COAMIX 新潮社 |
コミックという制約の中で、読者の危機意識を高め、かつ実用性と実効性を持たせるには様々な仕掛けが必要と思われます。そこで、最終ページには「彼女を守るプロジェクト」として渡辺実氏の監修の元、地震災害の解説を1ページ詳しく載せています。彼女を守る隊員1号・2号が防災ノウハウをギャグを交えてボケとツッコミで解説するスタイルで、第二回目となる5/19発売号では、間違えやすいマグニチュードと震度との違いについて説明しています。
また次号からは携帯サイトも立ち上げ、詳しい説明をより身近に手に入れられるような工夫もされています。
連載第二回目で、お台場で大震災にあった二人は、液状化した地面に立ち尽くす…彼らは果たして無事に生還できるのでしょうか?
彼女を守る51の方法
「彼女を守る51の方法~都会で地震が起こった日」発売:マイクロマガジン社 |
原作である本書ではこんな調子でストーリーは展開します。
「ちょっとー、おそいおそい」
少し先を歩く彼女が振り向いた。
目元は笑ったまま。ぼくは苦笑をする。
アイドルのにこやかな笑顔のグラビアからスタートします。
ごくありふれた日常の風景に「地震災害」は容赦なくやってくる。
今まで味わったこともない振動の後に、場面は一転。
気が付くとそこは崩れ落ちたビル、分断された高速、横倒しになった
列車、そして大規模な火災などの記録写真が続く。
幸いなことに生き残った二人は変貌した街でいかに生き残ることが出来るのか?
本書では柱の状態を見ることにより、建物が安全かどうか計る方法や、
女性のファッションであるヒールやストッキングの危険など、普通は気づかない危険を防ぐ配慮を教えています。また防災グッズも普段持ち歩けるようなものは何が必要かなど、リアリティを重視した構成になっています。
そして二人はともかく歩き始めるわけですが…詳しくは本書のほうをご覧ください。
この「彼女を守る51の方法」は来年映画化の企画もあるそうです。
今年はあの小松左京原作の「日本沈没」がリメイクされる年でもあります。
メディアや映画での震災映像の露出が、一人でも多くの国民の防災意識を変えてくれるきっかけになればと思います。