NO,4 避難経路の認識
通常であれば、誘導灯や、避難器具などの表示によってどこから逃げる事が出来るのかを確認します。最後に消防署が確認した1999年の時点で、2階部分での誘導灯の不点灯が確認されているという事は、その他の階でも正常な状態では無かったでしょう。機器の状態にもよりますが、常時点灯している誘導灯の球は、半年で切れてしまう物もあります。しかし、よほど消防設備に関心がなければ、誘導灯の球切れを交換しようとは思わないでしょう。
今回の火災では、出入り口付近が火災の発生場所だった為、メインの入り口からの避難が出来なかっただけではなく、道路側の窓は全て塞がれており、店内からの確認は出来なかったのです。
誘導灯の種別
避難口を示す避難口誘導灯。
避難口までの経路を矢印で誘導する、通路誘導灯。
非常階段における足下確認の為の、階段通路誘導灯。
映画館などの椅子と椅子の間を照らす為の、客室通路誘導灯。
これらは、内蔵電池を組み込んでいるか、非常電源を別に持つなどの停電時の対応もしています。
誘導灯器具の平均寿命は、大体8~10年、蓄電池の寿命は4~6年とJISで定められていますが、劣化したら早めに交換をしなければいけません。
もう一つ注意する事として、風俗店やキャバレーなどでは店の雰囲気を損ねるという理由で、非常口を示す「誘導灯」の電球を取り外したり、色の付いたセロハンなどで減光したりしているところが非常に多いので、視認性が著しく悪くなっている事があります。
どこの建物でも、避難口の確認だけはしておきましょう。一刻を争う災害時、自分の身は自分で守るしかないのです。
また、非常階段などには物を置かないようにしましょう。