映画『ファインディング・ニモ』で、一躍有名となったクマノミ。温かい南の国のサンゴ礁で、イソギンチャクと共同生活を行うことは余りにも有名です。

イソギンチャクの周りに縄張りを持ち、侵入者が来ると追い払らったり。イソギンチャクの中に卵を産み、そして子育て。一生のほとんどを、イソギンチャクと共に過ごします。

その様な、イソギンチャクの触手の間を泳ぐ姿をクラウン(ピエロ)にみたて、英語ではクラウンフィッシュとも呼ばれています。

そんな愛くるしい姿を、水槽の中でも容易に観察できることもあり、観賞魚としても人気のクマノミ。特に前述の映画の主人公ニモと同じカクレクマノミは、上映後しばらくの間、観賞魚店の店頭から姿を消すほど、熱狂的な人気ぶりでした。

イソギンチャクを住処にするわけ


カクレクマノミとイソギンチャク
猛毒なイソギンチャクの触手も、クマノミにとっては揺りかご。
主にクマノミが住処にするのは、ハタゴイソギンチャクや、シライトイソギンチャクなどの大型の種類になります。クマノミの種類によって、大体住処にするイソギンチャクの種類は決まっています。

でも、なぜ? クマノミは、イソギンチャクを住処に選んだのでしょう。

それにはやはり、訳があります。イソギンチャクの触手には、刺胞という毒針があり、これで他の生き物を麻痺させ捕食します。この毒のおかげで、クマノミ以外のほとんどの生き物は、近づくことができません。ですからクマノミにとって、外敵から身を守るには格好の住処となるのです。

しかし、不思議ですね。どうしてクマノミは、イソギンチャクの毒にやられないのでしょう?

それはクマノミの体を覆う、粘液に秘密があります。生きている魚を触ってみると、魚の体はヌルヌルした物質で覆われています。それが粘液です。クマノミの粘液には、イソギンチャクの毒から身を守る働きがあります。

試しにタオルなどで、この粘液をふき取ってしまうと、他の魚と同じ様にクマノミもイソギンチャクの毒で麻痺していまいます。

この粘液の働きで、普通の魚が近づくことの出来ないイソギンチャクを、格好の住処として手にいれたのです。

このような共同生活のことを、専門用語で『共生』と呼びます。

では、逆に。イソギンチャクからみたクマノミは、どの様な存在なのでしょうか?