なんと、犬のストレス度をチェックできる測定器を開発した会社があります。その測定器とはどんなものなのでしょう? そして、犬にとってのストレスとは?
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・パッドの発汗量から犬のストレス度を測定
・ストレッサーになるものは様々
・ストレスから病気になることも/ストレスサインを見逃さない
パッドの発汗量から犬のストレス度を測定
パッドの発汗量から、そのインピーダンスを測定することでストレスレベルを測る『ペット用ストレス測定器』。<写真提供/(有)ライブエイド> |
何かにストレスを感じた時、人間は汗をかくことがありますよね? いわゆる、精神的発汗というものです。犬が人間のように汗をかく場所としては、パッドが知られています。
そもそも汗腺というものには、大汗腺(アポクリン線)と小汗腺(エクリン腺)というものが存在しますが、べとべとした感じの匂いがする汗が出るのは前者、後者は匂いのない水分量の多い汗を出します。人間の脇の下にあるのがアポクリン腺と言ったらわかりやすいでしょう。全身にかく汗はエクリン腺によります。犬では、これが逆。パッドではエクリン腺が発達しています。全身にアポクリン腺があるものの、体温調節の役目はあまり期待できないので、犬はひたすらパンティングすることによって体内の熱を放散させています。
こうした犬の汗腺機能から、これまで犬の精神的発汗量を測定することは、その量がごく微量であるがゆえに困難と思われていました。が、電極間に微弱な電流を流し、パッド表面の皮膚インピーダンスを測定することで、犬のストレス度を判断できる測定器を、この度『有限会社ライブエイド』(石川県金沢市)が開発しました。
商品化後の発売予定は2009年3月予定
中田社長ご自身、愛犬ソラちゃんに試してみたところ、叱られた時が一番ストレスが高いという結果が出たそうだ。 |
さて、この測定器、どう使うのかというと、二つの黒い四角の部分(電極)に犬の前足をそれぞれ乗せ、スタートボタンを押すと、約20秒ほどで測定値と総合評価および自律神経のバランスが表示された測定結果がプリントアウトされて出てくる仕組み。
同社の代表取締役社長中田氏は、愛犬のソラちゃん(ダックスフンド、5歳、♀)で測定器をいろいろと試してみたそうです。
「叱られた時の測定値が一番高い、つまり最もストレスを受けるという結果が出ました。叱った後の測定値が元の状態に戻るまでには15分くらいかかり、犬は物事をわりとすぐに忘れると聞いていましたので、これには意外でした。それからというもの、ソラにはあまり叱らないようにしています」
昨今では、叱らずにしつけるというトレーニング方法が広く浸透しつつありますが、その主張を裏付けるような結果ですね。
ペット用酸素カプセルも同時商品化
同社では、このペット用ストレス測定器の他に、ペット用酸素カプセルも同時商品化予定とのことです。酸素カプセルとは、中の気圧を上げることで、全身の細胞に融解型酸素を供給し、自然治癒力や免疫力に働きかけ、疲労回復やリラックス効果を始め、ダイエット効果、ストレス解消、コンディショニングケアなどが期待できるというもの。有名スポーツ選手が使用したことでも知られています。ペット用の酸素カプセルは、出入りの容易さ、耐久性、品質向上などについて市場の意見を取り入れた結果、ハード素材を使用すると共に、省スペース化を重視したものになる予定とのこと。販売開始予定は2009年3月、販売価格は120万円。我らが犬達も、酸素カプセルを使ってストレス解消をする時代がやってきたということでしょうか。
ここで、そもそもストレスとはどういうものなのでしょうか? 次のページからは、ストレスについてのお話を。