サークルから出して遊ばせる時には、近い場所から少しずつ
室内・室外両方でトイレができると何かと便利。 |
「サークルの外に出して遊ばせるようになった頃、最初から広い範囲で遊ばせてしまったことは失敗だったと思っています。トイレはある程度覚えてくれていたのですが、トイレに辿り着くまでに我慢しきれず、その手前で粗相してしまうことがありましたので」(シー・ズー)
前のページで述べたように、子犬の膀胱はすぐにオシッコで満たされてしまいます。失敗をさせずにトイレを覚えさせるという観点から言えば、トイレに間に合うよう、最初のうちはサークルの近くから、段々と距離を伸ばして遊ばせるように段階を踏んでトレーニングしましょう。目安としては、生後4ヶ月頃までには膀胱もある程度成長しますので、それまでは「時間」と「距離」に気配りする必要があります。
他犬や自分の匂いが刺激になることも
Gさん:「我が家は多頭飼いです。先住犬がきちんとトイレを覚えてくれていたので、後からやって来た子についてはこれと言ってトイレトレーニングをした記憶がありません。全て先住犬が教えてくれたようです」(日本スピッツ)
五感のうち、犬の場合は最後まで嗅覚が残ると言われるくらい、犬は匂いに頼って生活をしています。先住犬を見て覚えるということも確かにあるでしょうが、他犬の匂いが刺激になるということもあります。マーキングの本能が芽生えてくると特に、他の犬の匂いがすると自分のオシッコをかけたくなるという習性を利用して、すでに大きくなった子の再トレーニングをすることも可能です。ただし、子犬であった場合には、他犬の匂いに不安を感じて、トイレをしたがらなくなることもありますので注意が必要です。
また、次のような例もあります。
Hさん:
「うちの子は残念ながら病気で視力を失ってしまいました……。ですから、トイレの場所を知らせてあげるために、自分のオシッコの匂いがついているトイレシートの一部分を切り取って、新しいシートに貼り付けておきました。それでトイレの場所がわかったようです」(ポメラニアン)
トイレトレーニングは、なにも子犬ばかりとは限りません。長いスパンで考えてあげるべき問題でもあります。
できれば室内・室外どちらでもできるように
Iさん:「若い頃はずっとトイレは外だったのですが、ある程度の年齢になり、病気を患ってトイレに行くのもままならなくなってから、室内・室外両方でできるようにしておけばよかったと感じました」(柴犬)
近年、犬の寿命も長くなってきました。と同時に、長寿になったからこその病気が見られるようになったり、寝たきりなど介護の問題も身近になってきています。犬の生活も時と共に変化するということを考えれば、トイレも室内・室外両方でできるようにしておくことがベストでしょうし、理想でしょう。
よく外でトイレをするようになってから室内でしなくなったという話がありますが、散歩に出る前には必ず室内でトイレをさせてから出かけるようにする、などの癖をつけることで両方でのトイレが可能にできると思います。
前項の例のように、匂いを使って年齢がいった子でも室内トイレが可能になった子もいます。
Jさん:
「加齢と病気で倒れたことにより、なるべく体に負担にならないように、室内でもトイレができるようにならないものかと、庭でトイレをした後の土を少量、トイレシートの上に乗せてみました。最初はちょっと躊躇していましたが、ちゃんとシートの上にできた時には嬉しかったですねぇ」(パピヨン)
年齢がいくとしつけのやり直しは無理だと思われるかもしれませんが、状況とやり方によっては再トレーニングも充分可能であるということです。
排泄には生理現象以外の意味もある
最後に、犬が排泄をする状況について。●生理現象
●マーキング
●病気の影響
(オシッコが出にくい、量や回数が多い、おもらしをする、など)
●興奮したり、緊張した時
●飼い主の気を引きたい時 など
犬が排泄をするのは、ただの生理現象だけであるとは限りません。病気が隠れていたり、精神的な問題が影響したりしていることもありますので、排泄の回数や様子はよく観察し、何かおかしいと感じた時には病院で診察を受ける、専門家にアドバイスを求めるなど対処するようにしましょう。
排泄は一生に渡って毎日続くものです。できるだけポイントを抑えて、犬も飼い主も気持ちよくトレーニングを重ねたいですね。