排泄中の“声掛け”で言葉を覚えさせる
「オシッコ」「チーチー」「トイレ」などの言葉を教えることで、排泄を促すことができる。 |
「トイレをする度に、“オシッコ”“ウンチ”と歌うような感じで明るく声を掛けていました。そうしたところ、この言葉を覚えてくれましたので、今では出かける前に“オシッコは? ウンチは?”と言うとトイレに向かいます。出かけた先でもこの言葉でトイレができるので助かります」(シェットランド・シープドッグ)
ちゃんとトイレができた後には、充分褒めてあげる必要があるのは言うまでもありません。しかし、そのタイミングが大事。褒めるのは、まさに排泄をしているその最中か、し終わった直後がベストです。
成功には褒め、失敗にはそれを意識させるor無視
Bさん:「例えトイレを失敗しても、それは無視して、敢えて叱ったりしないようにしました。おかげでわりとスムーズにトイレを覚えてくれたように思います」(ポメラニアン)
Cさん:
「している場所が違う時に、つい“あ!”と大きい声を出してしまったことがあるんです。生来、神経が繊細な子なせいか、トイレをすること自体がいけないことと思ってしまったようで、それ以来なかなかトイレをしてくれず、ぎりぎりまで我慢するようになってしまいました……。声の掛け方や態度をもっと気をつければよかったと反省しています」(シェットランド・シープドッグ)
予防策を取ったとしても、必ず毎回トイレを成功するとは限りません。失敗した時にはどうするか? それは、その現場を見た時と、見ていなかった時とで違ってきます。見ていない時に粗相をしたのであれば、それはまったく無視をして、さっさと片づけてしまうのがベスト。粗相をしている現場を見つけた時には、叱ると言うより、「そこは違うでしょ?」とその行為を意識づける意味で気づきを与えてあげるといいのですが、これには注意が必要です。
手を叩いたり、「あ!」というような声を出すことで「場所が違うよ」と犬にサインを送ることが可能ですが、その子の性格によってはこうした音や声が「叱られている、怒られている」と感じてしまうこともあり、萎縮してしまって次回からトイレがうまくできなくなってしまうということもあり得るからです。
それとは逆に、失敗した時の飼い主のリアクションが面白くて、犬にとって一種の遊びになってしまっているケースもあります。このように飼い主の言葉や行動が、場合によっては犬に負の印象を与えてしまったり、予想外の癖をつけてしまうケースもありますので、自分の子の性格をよく見て、自分自身の言動にも気を配るようにしましょう。
中にはCさん宅の子のようなケースで、我慢し過ぎて膀胱炎になってしまったという例もあります。トイレの問題はそれだけ繊細だということです。
小まめにトイレに誘導
Dさん:「“チーチーは?”と声を掛けながら、なるべく小まめにトイレに行かせるように、気を引きながら誘導しました」(ミニチュア・シュナウザー)
Eさん:
「うちは滑車付のサークルを使っていましたので、夜は私の寝室までゴロゴロと移動させていました。目が届く範囲にいれば、褒めるのも、トイレの後始末もすぐに対処できますからね」(トイ・プードル)
子犬がトイレに行きたくなるのは、寝て起きた後、食事の後、水を飲んだ後、遊んだ後……などいくつかタイミングがあります。因みに『ダンバー博士の 子犬を飼うまえに』(イアン・ダンバー著/レッドハート株式会社)によれば、子犬の膀胱がオシッコで満たされる時間について、生後3週齢で45分、生後12週齢で90分、生後18週齢で2時間とあります。成長と共に膀胱も少しずつ成犬のものに近づいていくのがこの時間からもわかりますが、生きているもの、かっちりこの時間であるとも言い切れないながら、なるべく小まめにトイレに出してあげるのがいいということはよくおわかり頂けるでしょう。それが失敗させないことにも繋がるのですから。
また、抱いてトイレまで運ぶ人もいますが、できるだけ自分の足で歩いてトイレまで行くように仕向けましょう。中には抱かれたことが刺激となって、本当は排泄をしたくてもそのまま止まってしまう子もいます。自分の意思でトイレに向かわせるよう、誘導してあげるのが理想です。
次のページでは、更に飼い主さんの経験談が続きます。