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変わりゆくペット保険(2ページ目)

この4月から、ペット保険を巡る環境は新たな時代を迎えます。一昨年の保険業法改正を受けて変化するペット保険業界。何が、どう変わったのでしょう? 私達は何を基準に保険を選んだらいいのでしょう?

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド


ペット保険業者はどう改変したのか?

万が一の時に役立ってこそ保険
大切なコを守るためのペット保険、できるだけ納得できる内容のものを選びたい。
法律の土台のない無認可共済と聞くと、なんだかあまりよくないもののように感じてしまいますが、決してそういうことではありません。が、法律が存在しない分、保険契約者の保護といった観点では不安を感じるのも否めないでしょうし、母体である会社や団体の財政的能力も公開する義務がなく、監督庁の監督や指導の手が届かないところにあったのは事実です。

実際トラブルになるケースもあったようで、ペット保険に限らず時代と共に共済も変化していく中、保険契約者の保護を目的として法の改正が行われたのが一昨年のことであることは冒頭で述べたとおりです。このことにより、無認可共済であるペット保険を取り扱う業者・団体は改変を迫られることとなったのです。

どう改変しなければいけないのか? それについては、以下の3つの選択肢が与えられました。

・免許を取得して『保険会社』となる。
・『少額短期保険業者』として登録申請する。
・廃業する。

少額短期保険業者って何?

上記のうち、『少額短期保険業者』というのは新しく設けられたカテゴリーです。保障する保険金額が少額であり(総額1000万円以下)、保険期間は1年(生命保険・医療保険)または2年(損害保険)、年間の収受保険料が50億円以下の基準範囲内にて業務を行う、いわゆる少額で短期の保険を取り扱う保険業者ということになります。

『保険会社』として成り立たせるには、先にも述べたように多額の資金を必要としますし、対象が犬や猫などペット動物であるということからも、『少額短期保険業者』に転身する業者・団体が最も多いのではないかと予想されてきました。そんな中で、『保険会社』として転身できたところもあれば、残念ながらその業務を続けられなくなったところもあったようです。

タイムリミットは今月末

現実的にはいきなり改変転身しろというのも無理な話ですから、法の改正後、2年間の猶予期間が設けられました。この間に今後の方針を立て、それに沿った体制を整えねばならなかったわけですが、そのタイムリミットが今月の末ということになります。

原則的にはすでに抱えている保険契約について、一年後2009年の3月末までは保険金支払いなどの業務は続けられるそうですが、今月3月末までに登録などの申請をしていなかった場合には、今年の4月1日以降の新規の保険契約や更新はできなくなります。このケースで、もし新規の契約を受けたりした時には、保険業法違反になるということです。

『保険会社』として免許を取得する、もしくは『少額短期保険業者』としての登録が適わなかった場合には、来年の3月末までの間に、保有する保険契約を他の業者に引き継いでもらうなどの移転作業が必要になるのでしょう。

次のページでは、ペット保険を選ぶ際のチェック項目について。
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