一言でいえば飼いにくい犬 最近は子どもにねだられて犬を飼うのではなく、お父さんが自分の意思で好きな犬種を選んで飼うという家庭が増えています。今回はそんなイケてる親父たちが選んだ犬種の中から、エアデール・テリアについてクローズアップしてみたいと思います。 2頭のエアデールを飼いこなすイケてる親父、永峰さん両脇にはクッキーちゃん(左)と弟分のまめ蔵くん(右) この犬種はテリアの中でももっとも大きく、キング・オブ・テリアとも呼ばれる狩猟犬で、カワウソや野鳥などの狩りに使われてきました。知的で好奇心旺盛、作業意欲が高いことから、現在は警察犬や軍用犬としても活躍しています。ただ素人の一般人が飼いやすいかというと話は別。 2頭のエアデール、クッキー(♀4歳5ヶ月)とまめ蔵(♂1歳3ヶ月)と都内に暮らす永峰潤さんは、次のように言われています。 「同じ大型犬でもラブラドールやゴールデンのような、しつけの入りやすい犬種とは違います。一言で言えば飼いにくい犬(笑)。レトリバー系の犬たちは、人間を喜ばせることが生き甲斐のようなところがありますが、エアデールにはそれがない。とても自立心が強く、自分で考えて行動する犬なんですね」(永峰さん) やって良いことと悪いことの概念を教える 考えて納得してからでないと行動しないエアデール目にはどことなく知性が宿るとくに最初に迎えたクッキーちゃんの場合、散歩の途中に骨折してしまい、トレーニングを再開したのが1歳を過ぎてからになってしまったこともあって、大変苦労をされたそうです。 「最初はグループレッスンに通ったんですけど、他の犬とは上手に遊ぶのに、人間の言うことはきかないようになって、真剣に悩みました。そこで何人かの訓練士さんに個人レッスンをお願いしてみたのですが、どの先生についてもあまりよい成果が得られない。 『これではいけない』と思い、最後はエアデールを熟知している訓練士さんを紹介してもらいました。この方は犬の行動学にも詳しいトレーナーさんで、クッキーはこの先生に指導を受けてから、ガラリと犬が変わりました」(奥様) 永峰さん夫婦はようやくクッキーちゃんと会話ができるようになり、大きな感動を覚えられたそうです。ではこの先生のトレーニングポイントは何だったのかというと、 「同じことを反復させるだけじゃなくて、犬に考えさせるんですね。リーダーである飼い主が何を要求しているのかということを考えさせるわけです。たとえばじゃれて人に飛びついたりするときも、この人はOKで、この人はダメというのを反復練習で教えるのって難しいじゃないですか。そんなとき、犬は少し考えて飼い主の判断を仰ぐ。そしてこちらがOKだよって返事を出したときに行動するようにしていくわけです。飼い主がいいといったことしかダメなんだということを教えるんですね」(永峰さん) 子どもにも優しいクッキーちゃん「ボクも遊んで~」と、まめ蔵くん -->>次はエアデールとの日常の暮らし方について12次のページへ