犬の消化能力を考えた「発酵」というやり方

img2
 パンの製造に使われるオーブン
さて、そんな従来のフードとはまったく違うやり方でつくられているのが、「ほりんふ」のホロブロート&ホリンフードです。それは袋を開けた瞬間に立ちのぼるかぐわしい香り、しっとりした感触からも明らか。これはドライじゃなく、「半生」に近い!

先生にそのつくり方を聞いてみますと、
「食材を発酵させてオーブンで焼くだけです。発酵させるのは、犬はもともと獲物の腸内で半分消化された状態の植物を食べていただろうから、穀類や野菜を発酵させてやればそれに近づくのではないかという発想に基づくものです。ウサギや野ネズミなどの小動物の腸内では、デンプンが吸収されやすいよう単糖に分解されているわけですけど、発酵させるとそれに近い状態になって犬が吸収しやすくなると思うんですよ」(浦元先生)

img2
 材料をこねる装置
それにしても、一つひとつが人の手による作業ですから、ほとんど手作りといってもよさそうな気がしますね。
あえて難をいえば、日持ちがしないこと(冷蔵庫での保存が必要)でしょうか。これは半生タイプのフードですから仕方ありませんが、おいしそうに食べている愛犬たちを見て、「山野で犬たちが捕食できるものにドライフードのような乾燥したものはない」という先生の言葉を思うと、やっぱりこのしっとり感こそが本来の食べ物だよなあと思ってしまいます。

これ以上のものは望めないと思ってしまう「ほりんふ」のフードですが、浦元先生はまだまだ改良を考えておられるそうです。
「改良した点がいっぱいあるんですよ。もっと美味しくしたいし、できると思う。ポイントは海のものかな。牡蠣なんかを使うとすごく美味しくなるんですよね。お肉も鶏だけじゃなくラムとか鹿とかを使ってみたい。においがきついので、ちょっと隠し味的に使ってみるとかね」(浦元先生)

処方食・療養食を超える健康食

img2
 横縞はおいしく見せるための工夫とか
こうした浦元先生の考え方や品質が共感を呼び、インターネットを中心に「ほりんふ」のフードはしっかりした支持層を生み出してきました。
「ほりんふに来られる飼い主さんには2タイプあって、問題をかかえてくる人と、もっと良いフードが欲しくて来る人ですね。6年前に立ち上げた当初は、うちの子はどのフードも駄目なんですよ、というペットフード難民の人が多かった。だからオーダーメイドばかりだったんですが、最近はレディメイドの比率が高くなってきた。もっと良いものが欲しい人の割合が増えたってことですね」(浦元先生)

オーダーメイドのホロブロートのすごいところは、アッシュ&ハービーのレシピからもわかるように、健康に問題をかかえた子に対応して個別につくられていること。なかでも圧倒的に多い相談はアレルギーだそうです。

img2
 う~ん、待ちきれないよ~
「皮膚と胃腸に症状の出る子ですね。食物アレルギーの検査をしてもらったら、こんなに出ちゃったんで、リストを送りますからそれ以外のものでつくってくださいという要望。これは結論から言うと、血液検査の結果と実際の症状とはなんの相関もないということです。
アレルギーの専門医はみんな口をそろえてそう言います。実際、試しに食べさせてみてくださいとお勧めすると、大丈夫でしたというケースがほとんど。血液検査をしてこれを食べては駄目ですよと言う獣医さんはこのことを知らない、専門家じゃないってことですね」(浦元先生)

犬の食べ物についてアドバイスをされる獣医さんは多いと思いますが、浦元先生によれば獣医大学のカリキュラムに犬猫の栄養学はほとんどないとのこと。通常は、ペットフード会社が発行している資料を参考にするしかないはずという話でした。

img2
 オイシイオイシイ、パクパクパク…
動物病院で処方食・療養食をもらっていた人が「なんとかなりませんか?」と尋ねてくるケースも多いとか。愛犬がそれを食べてくれないからですね。
「療養食はまずいというのが通例ですから。療養食・処方食については、ある特定の症状が出た時には適していると思いますが、それ以外の食事では対応できないかというと、そんなことはありません。現にホロブロートを食べて症状が治まり、健康状態を維持している子はいっぱいいますから」(浦元先生)
初回は成果が出ないこともありますが、電話やメールで飼い主さんとコミュニケーションを繰り返していると、徐々に症状が改善され安定してくるケースがほとんどだそうです。

続いてのお話は手作りのすすめ!