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ペットの食事に安全保証!(2ページ目)

ペットの食べ物で保健所の営業許可ってどういうこと? 公的な基準や規制が何もないペットフードに対し、人間並みの衛生管理をめざす100CLUBが投げかけたこのテーマは少なからぬ反響を呼びそうです。

執筆者:坂本 光里

ナマのまま食べるなら、やっぱり馬肉

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オールインワンタイプのフレッシュホース・コンプリートフードは赤身と内臓5種の組み合わせ

基本的な疑問ですが、やっぱりナマ食が一番なのでしょうか?
「人間は火を使って調理をしたものを食べますよね。それはそのほうがおいしいからと、人間には本来、調理されたものからバランスよく栄養を吸収できる能力が備わっているんです。ですが、自然界から人間社会に連れてこられた犬や猫たちには、そうした能力というか酵素が体内に少ない。具体的に言うと、ナマの食材にはたくさんの酵素が含まれており、犬や猫などはこの酵素を利用して消化吸収を行うように身体ができているんです。しかし、この酵素は60℃以上に加熱することによって失われてしまいます。
調理をしない肉には、かれらが健康体を維持していくための酵素がいっぱい入っています。だからいい食材を揃えたなら、そのままを小さくカットするぐらいにして、ナマで食べさせてあげるのが一番なのです」(川邉さん)


 有名動物園が選んだ馬肉 ほかの肉よりも馬肉の方が勝っていると思われる点は?
「ナマで食べるなら高タンパク低脂肪でアミノ酸バランスがよく、しかも安全だからです。また、鉄分の含有量が他の肉より多く、ミネラルも豊富。馬刺しは人間でも美容と健康によいと言われていますが、それは犬にとっても同じことです。牛肉や鶏肉よりも馬肉と思うのは、牛や鶏は特別にオーガニックで育てられたもの以外は無理な飼育環境で産業動物用の飼料で育てられてますよね。そこには抗生物質やホルモン剤が使われている可能性がある。神経質すぎるといわれるかもしれませんが、ナマとなると気になるところです。
それに、馬肉が肉食動物の健康を維持するのに適していることは、複数の有名動物園がそれを使用していることからも明らかです。世界の有名な動物園のいくつかでは、野生の肉食動物のエサに馬肉が使われています。人間の食材に馬肉を使うラテン系の民族と違って、馬が家族の一員という意識のアングロサクソン系の国の動物園でも同様に使われている。これは馬肉が肉食動物には適していると考える飼育者がそれだけ多いということです」(川邉さん)


100CLUBはすね肉やアキレス腱も製品化 このとき肝心なのは、馬を「丸かじり」の状態で食べるということ。自然界では、人間のように赤身肉だけをありがたがって食べる習慣はありません。全部丸ごと食べるわけですね。赤身肉だけでなく、すね肉やアキレス、内臓もいっしょに食べる。「そこには未知のパワーが入っている」(川邉さん)というのです。
そうしたことから100CLUBでは、馬の内臓や骨まで商品化し、どうしても商品化できない腸内の半発酵した牧草等については「ヴェジタブルズ」「シリアルズ」という粉末状の代替品をつくって提供しています。

また、100CLUBに続けという形で、ここ1年のペットフード業界では、見る間に馬肉を売る会社が増えました。なかには馬肉を使ったドライフードまであり、その多くが「国産」をうたっています。しかしながら、国産馬肉というのはすこし語弊があるのではと川邉さんは言います。

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北米での馬の放牧風景、土地が広いからこそできる

「馬肉の国産市場というものはありません。食肉用として飼育されている馬は、ごくごく少数の事業者は別として、存在しないからです。では国産馬というのは何かというと、それは競走馬ですね。走れなくなった競走馬がペットフード用に回されているということで、ベルテックスのように最初から食肉馬として飼育されていない。馬刺用の肉というのがあるにはありますが、みなさんがお肉屋さんで見られるとおり、たいへん高価なものですし、ペット用に馬を飼育するとなると、生半可な価格では出せませんよ」(川邉さん)
やっぱり、わたしたち飼い主としては、食肉用としてきちんと育てられているものを愛犬たちに食べさせたいですよね。いまさらですが、100CLUBの100が「100%ピュアを貫く」という意味だというのを認識させられました。

自然治癒力を後押しする馬力

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フレッシュホースミートの商品群
原材料は人間用の馬肉を扱うベルテックス社の製品

ペットの食べ物にそこまでは…と思われる人もいることでしょう。しかし、犬も猫もせいぜい生きて15年の人生。しかも、かれらは近代化と都市化の波の中で、かつてないほどのストレスを受けて暮らしています。排気ガス、ホルムアルデヒド、電磁波…数え上げたらキリがありません。
そんな環境下で、せめて食べ物ぐらいはいいものをと思いますし、本当に適切で安全な食べ物なら、ペットたちは本来持っていたはずの自然治癒力をフルに発揮して、悪環境(病魔)とたたかうこともできるはず。
ほんとうに「ペットは家族」と思う気持ちがあるなら、まずはそこからと思うのです。自分の子どもの食材をスーパーで買うときに、生鮮食料品のコーナーにはいっさい行かず、加工食品ばかりを買って帰るおかあさんはいませんよね。答えは、まさにそこにあると思います。

 100CLUB(ワンハンドレッドクラブ)
 東京都世田谷区三軒茶屋2-15-14 ABCビル1F
 TEL:03-3422-5235
 営業時間:10:00~20:00
 年中無休

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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