キャバリアの瞳に魅せられて(2ページ目)

みずからブリーディングも行うペットショップ

下園さんが犬舎を訪ねた時に撮ったヴェロニカ
シニアの域に入ってもまだまだ美しいキャバリアでした さて、店名の「VERONIQUE（ヴェロニカ）」って何だろうと多くの人が思われるでしょうが、これはイギリスからオーストラリアへ渡ったキャバリア犬の中でグランドチャンピオンを獲得した名犬ヴェロニカの名から取ったものだとか。同店では、36年の歴史で培った国内外のブリーダー・ネットワークを活かして、いろんな犬種の仔犬を取り寄せることができますが、なかでも下園さんが一番力を入れているのがキャバリアなのだそうです。

キャバのNO1ブリーダーを目指す 「じつはわたし自身、キャバリアのブリーダーでもあるんです。キャバリアに魅せられて、ヴェロニカの持ち主であるオーストラリアのブリーダーさんの犬舎にお伺いし、説得してヴェロニカのラインの子を譲っていただきました。今後はその子たちを中心に、よいキャバリアを日本にもっと広めていきたい。そんな考えから、お店の名前もヴェロニカにしました」（下園さん）
つまり、下園さんは仔犬をただ販売するだけではなく、みずからブリーディングも行うペットサロンを目指されたということですね。

キャバリアの正式名はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。17世紀にチャールズ一世が愛した犬、キング・チャールズ・スパニエルの復活を祈願して19世紀にイギリスでつくられた犬と言われています。現在でもイギリスではとても人気のある犬種です。

オーストラリアのブリーダーの犬舎を訪ねた下園さん もともとキング・チャールズ・スパニエルは、カーペットドッグと呼ばれる完全な室内犬でしたが、いまのキャバリアはそれより一回り大きく、屋外でも十分飼えるぐらいたくましい体格になっています。下園さんが訪ねたオーストラリアのブリーダーさんの家でも、パピーたちはみんな屋外の犬舎で暮らしていたとか…ちょっと驚き！

ヴェロニカのラインを引き継ぐ看板犬のキーパーくん、ハンサム！

「みなさん、キャバリアはとても繊細で弱い犬種だと思っておられるようですが、大きな誤解です。キャバリアは見かけとは違って、その実とてもワイルドな犬。かといって攻撃性があるわけではなく、人間にも他の犬に対してもやさしくフレンドリーです。とくに人間が大好きで、とても表情が豊かなんですよ」
下園さんによれば、犬と初めて暮らす方にはとても適した犬種とのことでした。

店内でも全然吠えず、誰にでもフレンドリーだったキーパーくん

ただし、絹糸のような細い被毛は毛玉になりやすいので毎日のブラッシングは欠かせません。また垂れ耳のため外耳炎にかかりやすく、定期的にお耳のケアをしてあげる必要があるそうです。
気になるのは、よく耳にする「キャバリアは心臓疾患が多い」という話ですが、これまでヴェロニカで生まれた子には、特別心臓が弱い子は出ていないとか。やはり健康で健全なラインの親同士の交配を心がけていれば、遺伝性疾患は避けられるということですね。こうしたきちんとした知識と良識にもとづくブリーディングを、すべての繁殖にかかわる人たちが自覚して行ってほしいものだと心から思います。

今はブレインハイムとトライカラーの繁殖が中心ですが
将来はルビーやブラックタンの子たちもつくってみたいと下園さん

犬の専門的なコンサルタントであり、カウンセラーに

美男美女の組み合わせ今後はどんなサービスを展開していかれるおつもりですか？
「サロンを開いてから、初めて犬を飼われた方の一番の悩みはトイレのしつけだということがわかってきたんです。犬種にもよりますが、じっさいトイレがなかなか覚えられない子もいる。そこでヴェロニカでは、お客様の生活環境や愛犬の性格などをくわしく伺った上で、その家庭に合ったトイレトレーニングを行うことにしました。

これはひとつの例ですが、飼い主さんの生活スタイルに合った犬との関係づくりをアドバイスしたり、ときにはトレーニングしたりということをやっていきたい。たんに売り手と買い手の関係ではなく、犬がいることで飼い主さんと家族全員がよりハッピーになれるようなお手伝いをしていく立場でありたいと思っています」（下園さん）

ときには犬の専門的なコンサルタントであり、ときには飼い主のカウンセラーにもなる。これからのペットショップは、ヴェロニカのようなお店が主流になっていくことが望ましいのではないでしょうか。

■ペットサロン　VERONIQUE
　〒150-0022　渋谷区恵比寿南3-2-19
　TEL；03-3713-0088
　営業時間：AM10：00～PM7：00