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『ペットフードで健康になる』大解剖!

1キロ500円で売られているペットフード。危ないとか、食べさせてはいけないとか、ネットでもウワサがありますが、本当はどうなのでしょうか?その真実に迫り、ではどうすればよいかの答えを出す、1冊です。

執筆者:坂本 光里

否定するだけではなく、どうするかを提示

『ペットフードで健康になる』
坂本徹也著(光人社)
定価 ¥1,785(税込) パートナーの坂本徹也は、『ペットの命を守る』(ハート出版)などでもペットフードについてかなり追求していますが、そんな彼が腰を据えて書いたのが『ペットフードで健康になる』(光人社)です。
ネットの世界でも、ちょっと意識の高い飼い主さんならば、1キロ500円前後で売られているフードの品質について疑問を持つ人がほとんどではないでしょうか。そんな値段でほんとによい食べ物なんてつくれるはずがないというわけです。それもある意味正しい見方なのですが、さらに一歩すすめて真実を探ろうとしても難しいのが現実です(誰に聞いたらいいのかわかりませんし、輸入品を売っているのは製造者ではなく販売代理店だし…)。


そこで坂本は、じっさいに現場に立ってフードづくりに携わっている作り手たちや業界関係者に会って話を聞き、真実に少しでも迫ろうとしました。『ペットフードで健康になる』は、そんな彼が足でかせいだ情報をもとに書いた渾身のルポルタージュです。わたしが「新しいな」と思ったのは、これまでの告発本のようにペットフードをただ否定するだけではなく、ではどうするかをしっかり提示してあることでした。

作り手たちは本物の愛犬家?

現在ネット上では、じつにいろいろなペットフードが紹介されていて、なかには「無添加」「厳選された食材」「自然派」などをうたった1キロ2000円以上する商品も出てきました。輸入品のものでも、コピーを読むかぎり「本当によさそう」と思えるものもけっこうあります。
だけどそれが本当にそうなのかは、調べようがない。国産のものは商品的にはすごく魅力的でも、販売者の連絡先だけで製造元の連絡先が書かれていないケースが多いし(消費者からの直の問い合わせは受けたくないのでしょうか?)、海外のものは袋に書いてある説明をそのまま信用するしかない。
でも、日本にはペットフードの安全を守る基準もそれを取り締まる法律もないわけですから、書かれていることが本当かどうかを確認するすべはありません。


坂本は、そんな飼い主たちの声をそのまま作り手たちにぶつけ、できるかぎり製造責任者本人にインタビューを試みています。その数は18社。九州から金沢、神戸まで全国のフードの作り手たちを訪ね、生産工場の中もできるだけ見学させてもらって、その模様をレポートしています。
読んでいただければわかりますが、多くの作り手たちは本当にピュアな気持ちで理想のペットフードづくりに取り組まれている。わたし自身が安心したのは、作り手たちの大半が「よりよいフード」をつくるために情熱を燃やし続けている、本物の愛犬家たちだったということです。


結論を導き出していくためのバイエル

もちろん、どのフードを選べばよいかの「解答」がスバリ書かれているわけではありません。なぜなら坂本もわたしも、まだひとつのフードに絞り切れていないからです。うちでは、朝は市販のフード、夜は手作り食を愛犬たちに与えていますが、これが一番かなと思った翌日、やっぱりこちらも試してみようかと思ってしまうのが現実。ほんとのところは、犬たちに聞いてみたいものですが、それができない以上、食べさせてみて彼らの様子から判断するしかありません(かなりいいと思われるフードの中での選択ですから、ゼイタクな悩みとも言えますが)。


きっと答えはひとつではないのでしょう。いくらよい原材料でつくられていても、愛犬がそっぽを向いてしまうのでは与えようがないですし、その子その子で摂るべき栄養の質やビタミン・ミネラルの量も違うと思うからです。だから『ペットフードで健康になる』は、一種の教則本ではありますが、バイブルじゃない。あくまで飼い主さん自身がこれを読み、試行錯誤を繰り返しながら自分だけのの結論を導き出していくためのバイエルになっています。



ペットフードで健康になる

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第1章 ペットフード、7つの大罪

いろいろ言われるペットフードですが、相変わらずホームセンターにはきれいなパッケージに身を包んだ1キロ500円以下のペットフードがたくさん並んでいます。それらはどこでどうやってつくられ、日本に運ばれてくるのか?そして本当にペットたちの身体を蝕み、健康を害する食べ物なのか?その真実に迫ります。そして、どうして日本にはペットフードの安全性を守る基準や法律が存在しないのか?

第2章 よいペットフードを探して

本物のペットフードはどこにあるのか? それを突きとめるために1軒1軒、国産ペットフードの作り手たちを訪ね歩いた記録です。本当の本物はどれなのか、あなた自身の眼で精査してください。

第3章 ペットフードが変える日本のペット業界

「スーパー・フード」と呼ぶにふさわしい、よいペットフードはたしかにある。ではなぜ、そのフードたちは世の中に認知され、市場を席巻していかないのか? そこには既存のフードがつくってしまった市場価格の「壁」、CMなどによるイメージ戦略の浸透、獣医さんたちの不勉強などといった数々の問題が横たわっていました。

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坂本徹也のその他の著著は↓

『ペットの命を守る』
『二歩先をゆく獣医さん』
『バスター先生と小さな仲間たち』
『東洋医学がペットを救う』

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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