泳ぎの得意な使役犬　ポーチュギーズの巻

林試の森に7頭のポーチュギーズが勢揃い

一見、スタンダードプードルに似ているが
彼らよりも骨格ががっしりとしていて野性味がある
小春日和の休日、ポーチュギーズ・ウォータードッグのティッチィくんを訪ねて都立林試の森公園に行ってきました。ティッチィくんは、今年の10月に1歳になったばかりのやんちゃ盛りの男の子。飼い主さんの市川久子さんがご自分のサイト「Welcome to Momo&Titchy's website」を自薦してこられたのを機に、ぜひこの犬種に会わせてくださいとわたしの方からお願いして、今回の取材が実現したんです。

市川久子さんとティッチィくん 市川さんは先住犬のモモちゃん（MIX犬）と朝晩この公園をお散歩されていて、ポーチュギーズ・ウォータードッグの中ちゃんとお友達になったそうです。そして会うたびにこの犬種に惹かれるようになり、中ちゃんが産んだベビーの中の１頭をぜひ家族にと迎えました。それがティッチィくんです。

「ポーチュギーズ・ウォータードッグという犬種にももちろん魅力を感じましたが、飼いたいと強く思ったのは、中ちゃんがとっても賢くて良い子だったからです。中ちゃんの子どもなら間違いないという気持ちがありました」（市川さん）

大好きなモモ姉さんとはいつも一緒！
実は市川さんにお声がけをしたところ、母親犬の中ちゃんをはじめ他の兄弟犬たちも集まってくださって、総勢７頭のポーチュギーズ・ウォータードッグに会えることに…。日本にたった14頭（1998年～2002年までのJKC登録数）しか登録されていないこの稀少犬種のなんと半分に会えることになってしまいました（カンゲキ！）。

左から宙くん、アグアちゃん、中ちゃん、ファイビーくん、
メグちゃん。７頭勢揃いのショットは うまく撮れませんでした。
ううう残念！

ウォータードッグだけに水掻きがある

ティッチィくんはお鼻のまわりと胸に白が入っているのが
チャームポイント！ ポーチュギーズ・ウォータードッグは、ポルトガルのアリガーウェ地方が原産。15世紀にはすでに使役犬として活躍していた歴史のある犬種です。
とりわけ泳ぎと潜りが特技なので、その能力を活かして魚を捕らえたり、網の回収を手伝ったりと、地元の漁師たちにとってはかけがえのないパートナーだったようです。また航海中の船と船の連絡係としても役立っていました。
たしかにティッチィくんとその兄弟たちの運動量とすばしこさを見ても、ちょっと雨が降っただけで外に出たがらないうちの犬たちとは大きく違う。体力も行動力も並々ならぬものがあります。

光のあたり方で印象が違って見えますが、両方とも宙くんです サイズは体高が43～57ｃｍ、体重16～25ｋg、頑健でしっかりした体型を厚いコートが覆っています。コートはカールかウェーブと言われていますが、集まってくれた子たちはほとんどがきれいにカールしていました。毛色は黒、茶、黒＆白、茶色＆白、白がスタンダード。母犬の中ちゃんはほぼブラックですが、お父さんが黒＆白だったので子どもたちは黒と黒＆白、両方になったのだとか。

がっしりと均整のとれたボディはやはり使役犬
耳は垂れ耳（水が入りにくい）、舵の役割をする尻尾は付け根が太くて先細りです。もうひとつ泳ぎが得意な証拠に、指の間が水掻きのように発達しているそうです。
外見的には「スタンダードプードル」とよく間違われるそうですが、たしかにこの犬種の存在を知らなければ骨格ががっしりしたプードルだと思ってしまうぐらい、パッと見の印象はよく似ています。ティッチィくんは現在18キロで、男の子としては小さいタイプだそうですが、それでも身体全体からははじけるようなパワーを感じました。

前足に靴下をはいているみたいなメグちゃん
一番白毛の多いアグアちゃんはプードルよりもオールド似 トリミングは「ライオンクリップ」といって胴の中央、体の後部、口の周りを短くカットし、あとは長いまま残すやり方と、被毛全体を身体のアウトラインに沿って2.5ｃｍの長さに刈る「レトリバークリップ」という２つの方法があるそうですが、尾はどちらも先端の毛を長く残します（泳いでいる犬を見つけやすくするため）。７頭のうち、ファイビーちゃん以外の６頭はレトリバークリップでした。

ロングコートのファイビーくん
どことなくミュージシャン風 日常のお手入れとしては、おもにスリッカーでのブラッシング、定期的なシャンプー、そして月一回のトリミングが基本。毎日のブラッシングを怠ると身体中が毛玉だらけになってしまうので、その点だけはしっかりケアしてあげる必要があるとのことですが、それさえしっかりやっておけば、抜け毛はほとんどなく、体臭も少ないので室内でも飼いやすい犬種だそうです。

＞＞まだまだポーチュギーズ・ウォータードッグの魅力に迫ります！