こんなメニューなら私だって食べたい!
荒木さんのこだわりは、厨房の設備だけではありません。鶏手羽先のトマトソースパスタ、鶏レバーと砂肝・ハツのサラダ仕立て、馬肉と季節野菜のワイルドミートローフ、マグロの有機オリーブオイル漬トマトソースパスタ添え、わかさぎのエスカベーシェ……って、これほんとに犬の食事のメニューなの?と聞き返したくなるような“おいしそう”なものばかりなのです。しかもどれもが、メニューに負けない美しさ!
荒木さんはこんなメニューをどうやってつくっていかれたのでしょう?
「栄養基準はAAFCOとNCRの出している基準を参考にしましたが、人間が毎日食べている食材や料理方法だと、犬に必要な栄養分は不足気味になるということがわかりました。もちろんサプリメントで補えないことはないんですけど、どちらかといえばやはり自然な食材から自然にそれを補給できるに越したことはない。そこでこだわって食材の組み合わせを行い、メニューをそろえていきました。今はチキンメニュー4種、ホースミート3種、お魚2種の合計9種類のメインディッシュに、クッキーやジャーキー、ヨーグルトなどのおやつもご用意しています」(荒木さん)
真空調理されたローストの馬肉はとってもジューシー。肉汁が今にもあふれ出てきそうです。添付のグリーンソースは、有機栽培の小松菜にオーガニックのオリーブオイルをきかせたもの。お塩をふれば飼い主のごちそうに早変わり!
「種鶏」のムネ肉は、歯ごたえがあって旨みも濃厚。これに有機野菜や黄身の濃いタマゴ、栄養価の高い小麦胚芽と玄米、ミネラル豊富な海藻類などを加えてこだわりのテリーヌに。見た目にも美しい!
★馬骨湯(マーコータン)の薬膳粥 1,050円(右)
フレッシュな国産馬の骨の旨みがしっかり溶け込んだスープに、馬肉のブロックと有機米を加えたとろとろのお粥。その中に中華スパイスの五香粉とクコや松の実を加え、美味しくて体に良い、まさに犬の「医食同源メニュー」の出来上がり!
いい食材を見つけたら使わずにいられない
真空パックされ、クール瓶(冷凍)でお宅までお届け。
賞味期限は未開封で-18℃以下の冷凍保存ならば4週間保証だとか。
それらは食材によって違いますが、たとえば鶏の手羽は高温高圧で長時間加熱することで骨もボロボロとした柔らかい状態になり、良質な天然カルシウムやコラーゲンを安全に摂取することができるのだとか。また野菜の加熱処理も、茹でずに「蒸す」方法を取ったり、真空調理や急速冷凍を施すなどして、素材のもつ栄養素を「逃がさない」調理法が取り入れられています。
荒木さんは言います。
「鶏は九州の生産者の方と契約して種鶏(しゅけい)の手羽を入手しました。一般に流通されている若鶏(ブロイラー)は生後約50日で出荷されているんですけど、種鶏はその若鶏を生んだ母鶏なんですね。つまり生後約400日ぐらいの地鶏。広い飼育場でのびのびと育っているので、しっかりとした歯ごたえと濃い旨味があるんですよ」
栄養バランス抜群のわかさぎは、いいものをと探し回った結果、カナダ産のエリー湖産のものを、オメガ3などの多価不飽和脂肪酸が多く含まれている馬肉は長野産を使用しているとか。まさに脱帽ものという感じです!
愛犬の食事を1食いくらで計算する時代へ
メインユーザーはやはり食の細い子やアレルギー体質、太り気味のワンちゃんたち。
「どんなペットフードを買ってきても見向きもしなかった子が、愛犬厨房のごはんだと大喜びでバクバク食べるんですよ、まるで違う犬みたいと言われることが多いですね。そんなときは、ああこれをやってよかったと思います」(荒木さん)
荒木さんは、多くのユーザーがそうであるように、一件一件相談に乗りながら、愛犬厨房のメニューのよさを理解してもらった上で使ってもらいたいと考えているそうです。
「愛犬厨房の定番メニューは体重5Kgの子の1日分になってるんです。これで平均価格は800円台。最初は高いと言う人がほとんどですが、考えてみれば自分の子どもだったら1回400円の食事はふつうのことですよね?」(荒木さん)
たしかに私たちの頭には、どうしても既存のペットフードの持つ1キロあたり1000円とか500円とかの価格が刷り込まれてしまっています。しかしよ~く考えてみれば、それが常識になってしまっているのはどこか変。ひょっとして、動物病院に支払う治療費や、グッズや洋服代の方が愛犬の食事にかけるお金より多かったりしていませんか?
そんなレベルの食事で本当に犬たちの健康が維持できるのか?まじめに検討してみる必要があるといえそうです。
荒木さんは、これからもただ商品を売るということだけではなく、このショップを起点に多くの飼い主さんの犬の食についての概念が少しでも変わっていくことを願っていると言われていました。私も犬ガイドとして、一飼い主として、もう一度自分の「愛犬のごはん」の値段について考え直してみたいと思います。
■「愛犬厨房」
町田市森野6-83-1
tel:042-722-8761
土日:12:00~18:00
平日:15:00~18:00
毎週火曜・木曜定休
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□100%ピュアをめざす100club
□愛犬のおやつ専門店「スリードッグベーカリー」自由が丘店
□こだわりの店『KITCHEN DOG!』