ここは六本木ヒルズにも出店して有名になった「ペットショップJOKER」が運営する、犬専用の温泉とプール、そしてドッグランのある施設です。
犬の治療にも使えるリラクゼーション施設?
エントランスを入ると、そこは“和もの”を中心とした犬グッズや土産物を販売するお休みどころ。なんだかどこかの温泉地に来た気分。
レジの脇を通って奥まった場所に暖簾がかかっていて、正面が温水プール、左手に湯浴みどころ、右手がトリミング&乾燥室になっています。また、お休みどころの右手奥には、獣医さんが常駐する診察室兼診療室もあり、ここがただの娯楽施設ではないことがうかがえます。
ミニチュアシュナウザーのムーティーくんの場合は?
さっそくプールのほうから覗いてみると、いたいた!ミニチュアシュナウザーのムーティーくん(4歳)がスイミングの真っ最中です。うちの子たちもですが、じつはこの犬種、どうも水が苦手のようで…。
というわけでムーティー君の飼い主さんも今年こそは海でいっしょに遊べるようにと、オープン当初から通われているそうです。最初はおっかなびっくりだったムーティくんだったそうですが、3回目のきょうはリラックスした表情でスイスイ泳いでいました。
ここでは必ず専門スタッフの方が側に寄り添って補助してくださるので、プールサイドで見ている飼い主さんも安心です。うちのアッシュ(11歳)も、もうちょっと若かったらトライさせてみたかったんだけどなあ。
ジャーマンシェパードのウルクくんの場合は?
次にやってきたのはジャーマンシェパードのウルクくん(7歳)。大きいけどとてもおとなしい男の子です。彼の場合は、前足の付け根を痛め、水泳療法で少しでも楽になればとここを訪ねてこられたのだとか。シュナウザーほど水嫌いではないシェパードですから、プールにもすぐに馴染み、大きな身体をゆすりながら悠々と水面を行き来していました。
スイミングセラピーは立派な「治療」の一環
わたしもそんなにくわしいわけではありませんが、水泳療法は欧米では「スイミングセラピー」として認められた立派な治療法で、「体重による負荷の軽減される水中の運動が身体全体の活動を促進し、回復を早めてくれる」のだそうです。
いままではこのような施設が都心に無かったため普及はイマイチでしたが、こうした場ができて効果が認められれば、数的にもどんどん増えてくることでしょう。
※注---スイミングセラピーを施す人は、遺伝病の犬、傷を負った犬、術後の回復期にある犬の補助の仕方についての知識を必要とするそうです。「綱吉の湯」は、スウェーデンにある犬の総合セラピー施設「BLEKINGE HUNDSIM」で研修してきたスタッフにより運営されているのだとか。
だけど、関節炎は小型よりは大型犬に多く見られる病気のような気がしますが…?
「リハビリは一定期間、少なくとも週に3日以上治療しなくては効果がありません。ですがそうなると、大型犬の場合は通ってくるのがなかなか難しいようですね」(大番頭の笹原裕樹さん)
なるほど……。しかしこれまでこうした施設が都内にはなかったことを考えると、「綱吉の湯」の存在は画期的といえそう。中には、交通事故に遭って下半身麻痺になったラブラドールを週6日ここに連れてくるために関西から住まいを東京に移された飼い主さんもおられるとか。そうした飼い主さんの情熱は、きっと犬たちの治癒・改善への大きな力になるに違いありません。
次は温泉による「ハイドロセラピー」をご紹介します