シリーズ企画「珍しい犬種を飼いたい」の第11弾。今回はチェコ原産の超小型愛玩犬、プラシュスキー・クリサジークをクローズアップしました。
じつは「プラシュスキー・クリサジーク・クラブ・オブ・ジャパン(PKJ)」事務局のマリチさんからサイトの自薦をいただいて、はじめてこの犬種の存在を知ったとき、ほんとにこんな小さな犬種があったのか、世界は広い!と思わず膝を叩いてしまいました。
今回登場してくれたのは、ファニーちゃんとグリシュコくん(親犬は違うけれど、両方とも2002年の8月生まれ)。オーナーは星崎小百合さん。彼女は2頭の日常や成長記録を通して、クリサジークの魅力を多くの方に知ってほしいとの願いから「ファニーとグリシュコのページ」を開設されています。
星崎さんはずっと前からチェコという国に惹かれていて、1998年にはプラハに旅行されたこともあるそうです。そして帰国後のある日のこと、「どうぶつ奇想天外」を見ていたら、なんと超小型愛玩犬としてチェコ原産のクリサジークという犬種が紹介されているではありませんか。「自分たちが飼うならこの子しかない」「この子たちと暮らしたい!」と思うようになり、日本唯一の専門ブリーダーである山口さんをマリチさんから紹介していただいたそうです。
最初にメールでコンタクトしたときには1年待ちと言われたのですが、1年待っても飼いたいという強い決心のもと、ホンモノのクリサジークに会いたいと、岐阜の山口さん宅まで見学に行かれたそうです。そんな情熱に犬の神様が微笑んだのか、ちょうどそのとき生まれていた子犬に会わせてもらえました。それがファニーとグリシュコだったというわけです。
クリサジークは寂しがり屋だと山口さんから言われて、星崎さん夫妻は迷うことなく、2頭を同時に迎えることにしました。
●クリサジークの第一印象は?
念願叶ってはじめてクリサジークという犬種に直接触れたわたしの第一印象は、想像していたよりもしっかりとしたボディの持ち主だったこと。 もちろんいま人気のチワワと肩を並べる超小型犬で、体重もスタンダードは2kg以上、体高も19cm~22cmといいますからかなり小さいわけですが、コンパクトながらしっかりとした厚い胸と均整のとれたスクエアなボディを持ち、見るからに美しい犬種です。
外見的にはトイ・マンチェスター・テリアにも似ていて、それをひとまわり小さくした感じなのですが、トイマンの耳が全身から見てバランスがとれてるのに比べ、クリサジークは幅がやや広く顔との比率を考えるとかなり大きいので、とても立派なお耳の持ち主といえそう。またストップの部分が非常に深いのも特徴のひとつ。
大きくて黒目がちな瞳はトイマンよりもむしろミニチュアピンシャーに似ているかな?そんなアンバランス気味のお耳や黒目がちな丸い瞳があの愛くるしい表情を作り出しているのでしょうね。
そして被毛はベルベットのようなつやのある美しい短毛。毛色はブラック&タン、イエロー、茶色の3種なのですが、ファニーちゃんグリシュコくんのようなブラックタンが一番多いそうです。
マリチさんによると、「クリサジークは明るくフレンドリーですが、大型犬に向かっていく勇ましいところもあります。イキイキとして活発敏捷。走行は非常に速く、素晴らしい嗅覚を持ち、遊び上手な甘えん坊。三度のごはんより人間の膝が好きだと言われています。反面、孤独を嫌い、一人には弱い犬種ですね」とのこと。
星崎さんに2頭の性格を聞いてみたところ、グリシュコくんは甘えん坊で、ファニーちゃんには頭が上がらないとか。そういえばお気に入りのオモチャをファニーちゃんに取られてしまっても「あぁ、取られちゃった~」と黙って譲っちゃうようなおっとりした面を覗かせていました。
ただブリーダーの山口さんの犬舎にいるクリサジークは、どの子もとてもフレンドリーでそれはそれは熱烈な歓迎ぶり。見学に訪れた星崎さんご夫妻がますますクリサジークの虜になってしまったのは、そのせいかもしれませんね。
次ページではクリサジークのちょっとした豆知識をお伝えします!