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南毅生先生って、こんな人!

病気や健康管理のことを獣医師に相談できる相談サイト、『サイバーペットクリニック』の創設者である南毅生先生は、ガン治療の第一人者。成城学園の分院に先生を訪ねてみました。

執筆者:坂本 光里

アメリカでできる治療が
日本でできないなんて獣医師として悔しい


小田急線・成城学園駅から徒歩10分。お洒落な住宅街を抜けていくと、大きなケヤキの木が目印のみなみ成城動物病院があります。ここは動物のガンの専門家として有名な、三重県伊賀上野市の南毅生先生の東京分院です。
南先生は、飼い主なら誰でも利用できる無料の獣医療相談サイト「サイバーペットクリニック(2004年8月現在閉鎖中)の運営者で、さらにプロの獣医さんを対象にした組織診断をする検査センターも経営するなど、手広く獣医療活動を展開されています。

そして何と言ってもすごいのは、伊賀上野の南動物病院には腫瘍の画像診断に欠かせないCTやMRI、そして放射線治療器までが備えられていること。これはほかの動物病院ではちょっと考えられません。ふつうの動物病院なら「これはガンの疑いがある」となると、CTやMRIのある大学病院に行って検査をしてもらってくださいとなりますが、先生の病院ではそれが全部そろっているということですから、頼もしいかぎりです。

★CT(医療用X線CT装 置)の前に立つ南先生
CTは成城にもあるということなので、さっそく見せていただきました。 人間用のものですから当然ですが、レントゲンの何倍もの大きさでなかなかの迫力。
ここでも毎週木曜日の南先生の診察日には、CTなどを使って腫瘍の犬猫の診断&治療を行っているそうです(ほかの日も月曜の休み以外は一般診療を受けつけている)。ただ、放射線治療器はここにはないので、放射線治療を要する場合は、伊賀の方まで足を運んでもらうことになっているとのことでした。

CTやMRIを駆使すれば、にっくきガンの状態がくわしくわかるそうです。
「3Dにして肺のどっち側にどのぐらいの大きさで腫瘍があるかということがわかります。だから手術で開けたときにそこにあるんですよ。開けてからどうしようじゃなくてね。たとえば、すごく大きな腫瘍が脇の下にある犬がいて、どこに行っても獣医さんはとても取れないって言われたと。僕も取れるかどうかわからなかったけど、CTを撮ってみたら、脇の下に入っているようで入ってなかった。これは取れると。そこで組織を調べて大丈夫だという判断をして取りました」(南先生)
CTとMRIと放射線治療器を持つ個人病院は世界でも南先生のところしかありません。獣医さんが100人以上いるNYのAMC(アニマル・メディカルセンター)ですらMRIは持ってないそうです。

ですが、最新の器械をそろえてもガンはやっぱり手強い病気です。
「ガンについて言えば、完治というのはないんです。50%以上小さくなれば治療効果があったと見るわけです。何もしなければ小さくなることはまずないですからね。それがどんどん小さくなって消えてなくなるというのは無理だと思うけど、ガン細胞を減らすことで、また大きくなるまでの時間稼ぎができる。それが1日なのか1年なのかというところが治療のポイントになるわけです。
何もやらずに死ぬのを待つのがいいかと言うと、そうじゃない。犬にとっての1年は おおいに意味がありますよね。だけど何をしてもあと2カ月なのに、放射線治療をし たり化学療法をバンバンやる必要はない。その見極めというのがガン治療の要なんです」と南先生。
だから、治療は一歩一歩飼い主と対話しながら進んでいくそうです。
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