持つことだったりして…
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ジアスの西村さんに聞いてみました。西村さんは獣医さんではないので、医療にアロマテラピーを使うことはありませんが、犬のストレスケアや健康を保つための手段としてはかなりの有効性を実感されているといいます。
ただ、アロマの基本的な知識とかマッサージの技術についてはそんなに難しくないのですが、熟練を要するのは、カウンセリングによってその子がどんな ストレスを感じているかを見極め、その子に必要なエッセンシャルオイルは 何なのか、何と何を組み合わせれば理想的なのかを考えることなのだそうです。
「北海道のセミナーで会ったセッターなんですが、目が明らかにリラックス していない、常にきょろきょろしてる子がいたんです。聞いてみると、 もう1頭飼われている子がお産をするんでずっとかかりきりだったと。 きっとそのセッターは精神的にいじけてしまったんでしょうね。 それで、マッサージするときは集中的にマッサージしてあげてくださいねと お願いして、調合したオイルをお渡ししました。ゆっくりマッサージをして、あとはこの子の好きなように、なるべく自分のペースで生活できるようにしてあげてくださいというお話をしてね。そしたら連絡があって、すごく変わってきたって言われました」(西村さん)
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たとえば、ハイテンションで落ち着きがない子は、放っておくと ずっとハイテンションの状態が続く。何かあるとすぐテンションが高く なってしまう。すると、いつの間にかそれが体質になってしまい、 やがては大きなストレスに発展していく。
また、シャイで臆病な子もいる。生まれつきシャイな子でも、しつけをして 社会性が身についていけば、普通に生活ができるようになるわけですが、 放置しておくとどんどん臆病な面が進んでいき、何にでも怖がる犬になる。 「友だちのケアーンテリアなんですけど、小さい頃、向こうから犬が 来るとすぐに抱き上げてしまってたんですね。だから全然社会性がないし、 他の犬を見ればすぐに吠える。とうとう人を咬むところまで進んでしまって…最近はカーテンが風にゆれるだけでも吠えるそうです。 これは人間があまりにも守り過ぎたからですね。過保護になりすぎた。 いろんなパターンがあるけど、ほとんどがこのように飼い主が原因です」 と西村さん。もちろん生まれ持った性格としてのものもありますが、 そのどのケースにでもアロマは有効だそうです。
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いまわたしのところに来てる子は、元気すぎるかおとなし過ぎるかの2タイプですね。攻撃性のある子というのは、いまのところ来てません。 もちろん相談に来られれば対処しますけどね。たとえばブラッシングが嫌い な子にはブラッシングウォーターというのがあって、これが効く場合が多い。 ブラッシングが大嫌いな子が飛んできておねだりをするようになった、 ブラッシングが楽になったってことは多いですね」(西村さん)
においによるリラクゼーション効果については、人間の方でも実証されて いますが、犬は人間の何万倍ともいう臭覚を持っているのですから、 それが犬の中枢神経に働きかけて、緊張を取ったりリラックスさせたりということはたしかにあるのでしょう。