夫が生活費をくれない場合は?

夫が生活費をくれない場合は?(キャプションも同じに変更)

家庭裁判所の調停委員が夫婦の間に入り、話し合いをすすめてくれます。

離婚カウンセラーの岡野あつこです! 共働き夫婦が全体の半数を超えた昨今、そうとはいっても夫と対等な収入がある妻はまだまだ少数派。そして仕事の有無に関わらず家事や子育ては圧倒的に妻が担っているケースがほとんどです。

そんな生活状況の中、夫が浮気をして別居を始めたり浪費をしたりといった理由から妻に生活費を渡さなくなったら? 催促しても渡してくれなかったら? 大概の人が親に援助を求めたり、パート仕事の時間を増やしたり、仕事を掛け持ちしたりといった対策に奔走するようです。
   

夫婦には生活保持義務がある

しかし、夫婦にはお互いの生活レベルが同等になるように助け合わなければならないという「生活保持義務」があります。夫婦には生活にかかる費用を分担する義務があるというわけです。衣食住の費用、医療費、子どもの教育費や養育費、交際費等のいわゆる生活費を分担しなければならないのです。

それは夫婦の一方が家を出てしまい別居状態にあっても、生活保持義務は消滅しません。別居中だからといって夫が妻と子どもに生活費を渡さないというのは法律的にも許されないことなのです。

これは、夫の暴力から避難するために妻や子どものほうが家を出た場合でも、離婚の話し合いが進んでいるがための別居だとしても、生活費の分担義務は生じます。これを「婚姻費用分担」といいます。
 

婚姻費用分担の調停申し立てが解決にはベスト

「ママどこ行くの?」「家裁よ」「カサイ?」

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夫に生活費を催促しても応じないときや、話をすることもできないような状況なら、家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てます。調停委員が夫婦の間に入り、話し合いをすすめてくれます。ここで合意できなければ、家庭裁判所による審判で決定します。夫がお金を出したくないとゴネても逃げ得は許されないというわけです。

家庭裁判所が、婚姻費用分担額を決定するにあたって、夫婦が別居に至った事情、夫婦関係の破綻の程度、破綻に至った双方の責任の度合い、また双方の収入などが考慮されます。
 

緊急を要する場合は、審判前の保全処分

子どもが小さくて保育園も待機児童○人待ちなどで働きたくても働けない、当面の生活費にも困っている、という切迫した状況なら、審判の成立を待っている場合ではないでしょう。婚姻費用分担の審判申し立て後、さらに審判前の保全処分を申し立てます。

これは、家庭裁判所が早急に事前の審判を出してくれるものです。調停は月に1度のペースで進みますので、既に生活に困窮していればそんな悠長なことをしている場合ではないケースもあります。すると家庭裁判所から夫に「婚姻費用の分担金として、毎月金○万円を支払え」という内容の命令が出されます。この審判前の保全処分がでたにも関わらず、まだ支払いをしなかったり、支払いを滞納した場合は、家庭裁判所が履行勧告や履行命令を出してくれます。

その後離婚の話し合いに進むにせよ、離婚が成立するまでは、婚姻費用分担の支払い義務は生じ続けます。家庭裁判所や調停というとどうも気が重いというかたが多いようですが、調停の申し立てそのものは簡単な書類を記入し2000円を少し超える程度の費用でできますので、埒が明かない状況ならすぐにでも家庭裁判所に問い合わせてみることをオススメします。

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