熟年離婚の思わぬ誤算を生じさせないで
離婚の危機? 数え切れない。今となっては昔の話だけどね。 |
■熟年離婚―本当にひとりになりますか?
- ひとりになれば、食事の支度がラクになると思いますか?
食事の仕度がラクになるということは果たしてよいことなのか?(=いい加減になるかも?)栄養が偏ったり不規則になりがちで 健康を損ねる確率が高くなるかも知れません。食事を共にする相手がいることを、特に「定年退職したら3食作らないとならない」などということを、嘆く人もいますが、だからこそバランスのとれたきちんとしたものを食べることによって、健康で長生きができるカラダが作られるということもあります。
- 喧嘩相手の顔を見なくて済むだけで幸せだと思いますか?
話し相手・喧嘩相手がいなくなると、ストレスはなくなるかも知れませんが、脳に刺激がなくなり早くボケてしまうかも? パートナーがいれば会話もあり、それなりの神経を遣い生活しています。しかし、ひとりになると、確かに自由で思いのままかも知れませんが、とても静かで刺激に乏しいです。テレビをつけっぱなしにするというひとり暮らしの方もいますが、音はしていても人間の「気」や「エネルギー」を感じることはできず、常に受け身です。夫婦喧嘩は不快ですが、ボケ防止に役立っていることもあります。
- ひとりになれば、相手の分の家事負担がなくなってよいと思いますか?
家事とは、もしひとりになっても、確かに量は減るかもしれませんが、同じように必ずしなくてはならないものです。どの道やるなら、ひとり分もふたり分もそう変わりません。ふたり分やれば、相手の役に立っているということです。当たり前だと思われて感謝されていないからやりたくなくなるのだという気持ちもごもっともです。が、誰かのために何かをしているということは、実は自分自身の生き甲斐にもなっているものです。
- 離婚時年金分割をきっちりすれば、老後の生活は安心だと思いますか?
いくら離婚時年金分割制度が導入されて、分割の話し合いがついたとしても、ゆとりある生活ができるくらいの月額になるのでしょうか? もし、それだけでは生活費が足りない・生活が苦しいとなれば、老体にムチ打って働かなければならないこともあります。もちろん働くことに生き甲斐を持ちカラダが言う事をきくならよいのですが、そうではないのに無理をするということは、これもかなりのストレスになり寿命を縮める一因となる可能性もあります。
※2006年10月より社会保険庁は50歳以上の夫婦が離婚する場合、本人の求めがあれば分割で受け取れる年金の見込み額を、相手に知られないように事前に通知するサービスを開始しています。
- 熟年恋愛・再婚をして、必ず幸せになれると思いますか?
もちろん、既に相手が決まっているとか、熟年離婚後すぐにステキな相手に巡りあえるという幸運な方もいます。一方で、離婚したら理想の人と幸せになろうという前向きな気持ちでいたが、そう簡単な話ではなかった、ということも。子どもたちの大反対があったり、反対を押し切って再婚したことで親子関係にひびが入るということも起こりがち。今のうちに例え話として、子どもたちに訊いてみるとよいかも知れません。意外に難しいこともあるのです。
ですから、離婚後の生活設計をしっかりとした上で、必ず今よりも幸せになれるという保障を確保できた時点で決断しましょう。それでも、永年家族生活をしてきた人なら、まったくひとりになった時、愕然とするものです。自由な自分の時間が欲しかったというのに、時間が余りすぎて、逆にそこから逃げ出したくなることもあるかも知れません。
一生懸命尽くしたことについて感謝もしてくれない相手に三行半といっても、本当はするべきことを与えてくれた存在そのものに感謝する気持ちを持つべきなのです。でも、これに関しては、本当に別れてみないとなかなかわからないのかも知れません。
離婚の決断はすべて自己責任です。離婚後、万が一後悔しても、自業自得と納得しなければならないのです。あなたは、それでも本当にひとりになりますか?
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