離婚/お金の問題

愛とお金の終着点「慰謝料」

離婚時に一番問題になることは「慰謝料」と「親権」ではないでしょうか。今回のクローズアップではその1つ「慰謝料」についてお話してまいります。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

●慰 謝 料

離婚サイトのおすすめリンクの中でも、最もアクセスの多いテーマの一つがこの慰謝料です。
愛のなれの果てがお金のやり取りに変わるという怖い部分が見え隠れします。皆さまの興味の的、慰謝料についてお話してまいります。

慰謝料の定義と相場
慰謝料の定義は「婚姻破綻を作った配偶者に対して、他方より請求される精神的苦痛への代価」です。ただし高額な慰謝料は有名人やお金持ちにのみ通用するというところがポイントでしょう。有名人が離婚するたびに、ワイドショーや週刊誌を賑わすのが「慰謝料●億円」という文字。だからといって、誰もが離婚したら高額の慰謝料をもらえると思っていれば大間違いです。

まだ離婚を経験していない一般の若い男女に慰謝料の相場についてアンケートをとってみたところ、離婚した妻が得られる平均額は約3000万円でした。(こんなにもらえるなら結婚詐欺がもっと増えるかも・・・)

しかし現実の平均額は、400万円。実際にはこれよりも高額な人もいるが、低い人、例えば0円の人も決して珍しくないのです。なぜならば慰謝料とは離婚という事件を通じて破る精神的苦痛への損害賠償的意味合いが強く、夫婦間の問題における加害者・被害者という位置づけと、これを金額で表すことが難しいからです。

慰謝料を請求する条件-因果関係と証拠が必要
現在「離婚原因」として法律で認められているのは、「不貞行為」「悪意の遺棄」「三年以上の生死不明」「回復の見込みのない精神病」「婚姻を継続しがたい重大な理由」の五つ。慰謝料を請求するには自分がどの事由で、相手からどれだけの精神的苦痛を被ったかを立証する必要があります。

だから「性格が合わなくて、どうも相手とコミュニケーションが取れなくて」とか「夫はマザコンで、姑の味方ばかりする」といった漠然とした理由で、慰謝料を請求することは難しいといえます。「このようなことをされたことが理由で、多大な精神的苦痛を味わわされ、その結果として婚姻関係が継続しがたくなった」ということを証明しなくならないのです。

最も多く、そしてわかりやすい例が「不貞行為」。もちろん、「浮気した」と言い張るだけでは立証になりません。人がおり、SEXしたという証拠がなければ慰謝料の請求は難しいのです。暴力は「婚姻を継続しがたい重大な理由」に入りますが、これも診断書などの証拠が必要となります。

夫以外にも、不倫相手やひどい嫌がらせをする姑、セクハラをしてくる舅などに対しても請求は可能なので、離婚で慰謝料を請求したい人は、まずは具体的で綿密な証拠を集めることが大事です。
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