例:商学部と経済学部の違い
商学部として有名な一橋大の商学部は、1875年(明治8年)森有礼が開設した私塾「商法講習所」を起源としている。この商法とは法律ではなく、商業の方法論のことで商業を実践的に研究しようとした日本でも初めてのビジネススクール。商学部の講座内容をみるとその実践的な性質がよくわかる。講師も通常の大学教授だけではなく、一流優良企業のビジネスマンを中心に、公認会計士やコンサルタントなど実際に活躍している人物が多いのも特徴となっている。
・経営講座
・イノベーション講座
・ビジネス・エコノミクス講座
・マーケティング講座
など
このようにより実践的に経済の原理や経済社会について学びたい人にはピッタリの学部だろう。
一方、経済学部として有名な慶應義塾大を見てみよう。
・経済理論
・計量・統計
・経済史
・現在経済など
どの大学の経済学部でもそうだが、1年次から必修となっているのが「マクロ経済学」である。これでつまづく学生も多いと聞く。経済理論の基本で、数学的な思考が必要と言われる。特に「数理統計学」「微分方程式論」の知識も必要だとされている。経済学的に実際の経済を考える場合、どうしても数学的な思考が必要なようだ。実際、経済学部を出て数学の教師をしている人も多い。
単純には言えないが、基礎理論としての経済を数学の能力を生かして研究したいのなら経済学部、現実経済についてより実践的に研究したいのなら商学部だろう。
最近、大学入学後に大学を退学する学生が増えているという。私の知る限りでも、実際かなりレベルの高い大学入学後退学した学生も多数いる。そういう学生と話してみると、大学が思っていたところではなかったというのだ。
大学に単なる幻想だけを抱かず、人生の一つの段階としての大学について正しい情報を持ってほしいものだ。大学はすべてを与えてくれる場所ではない。自分で探してこそ、発見できるのだはないだろうか。
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