推薦入試とは
・指定校制と公募制がある・学校長の推薦が必要な場合が多い
・調査書の評定平均が一定以上必要(少なくとも3.5以上で、4以上あればほぼ問題ないだろう)
・出願は11月1日以降で、試験は1日で終わることが多い
・書類審査と面接、または小論文を課したり、実地の試験もある
学校によって指定校制と公募制がある。指定校制は大学が指定した高校に推薦の枠があり、選ばれるとほとんど合格できる。しかし、他の大学を受けることはできなくなる。以前、担当していた生徒が自分に気乗りがしない大学の指定校枠に入ったが、結局他大学を受験したくなり、推薦を受けた大学の入学を拒否してしまった。怒った大学は次年度からのその高校に対する指定校枠を廃止。残された後輩が憂き目にあうので、指定校推薦を受ける際には、よくよく考えてほしい。指定校制では専願が一般的なのだ。
公募推薦は、ほとんどの国公立大学が行っている。内申書を点数化する場合もあるので、試験方法を詳しく調べておいた方がいいだろう。推薦入試は一般に現役主体だが、浪人生でも受験可能な大学も増えてきている。公募推薦では併願できる大学が多い。
AO入試とは
・学校長の推薦は必要ない。基本的に自己推薦・調査書の成績は参考にされない場合も多い
・選抜の期間は数日にわたるものが多い
・書類審査をまず行い、次に面接のみの大学や時間指定の論文試験を課す大学もある
・出願は7月から8月が多い
AO(Admission Office)は、まったく従来の形態とは違う選抜方法をして慶應義塾大がSFCで始めたものだった。当初は思惑通り、優秀な学生があつまった。しかし、最近はなかなか難しくなってきているので、実際地方にも担当教授が出向いて求める学生を探しているほどだ。推薦試験とどこが違うのかという声も聞かれる。客観的な成績という数値が好きな日本人には、なかなか受け入れがたい制度かもしれない。
この選抜方法の特徴は自己推薦である。まず自己推薦書を書かせる大学がほとんどで、この書き方の指導でかなり一次審査に合格しやすくなる。大学によっては課題となる小論文を書かせるものもある。この小論文が単なる感想文にならないよう、指導を受けた方がいいだろう。
ポイントはその大学が欲しい学生像(大学HPに記載されている)を理解しておくことだ。たとえば、社会問題に関心がある学生をとりたい大学がある。そうすれば、環境問題や高齢者問題などをとりあげたほうがよくなるだろう。論文やレポートの書き方の本を読んでおいたり、予備校の小論文の講座を受けるのも効果的だ。
推薦やAO入試の準備にはちょっとした時間と労力が必要になる。いろいろ情報を収集するのも大変だ。小論文対策に戸惑う人も多い。しかし、この時点で合格してしまうと11月中に大学が決定する。金銭的な面でも安くあがる。ほかの受験生が必要以上に感じるストレスを感じないで済むだけでも受けてみる価値はある。有名な難関大学のほとんどがこの制度を取り入れているし、学校ごとの指定校推薦の枠も実際増加傾向にある。
必ず担任の教諭に早めに相談してほしい。出願から合格の発表までの手順をしっかりと理解しておいた方がいいだろう。オープンキャンパスでも推薦や、AO入試の説明をしているので参加してみたらいかがだろうか。
<関連記事>
慶應ですら地方に出向く、AO入試の現実