活況を呈する首都圏有名私立大学
「首都圏私大健闘! 2008年入試を振り返る」で説明したように、首都圏私立大学が軒並み受験生を増加させた。早稲田は微減だったが、中央大23.5%増、日大20.2%増、慶応大11.8%増、明治大6.3%増など、健闘した大学が多い。これは国公立併願者のセンター利用の増加、地方試験会場の増加、既存学部学科の改編、新学部学科の開設などが考えられる。特に学生の通いやすい都心部への大学の移転も重要な要素だろう。「有名大学だから、郊外に大学が位置していても我慢できる」いう時代ではなくなっているのだ。
文部科学省の大学の設置基準の規制が緩和され、広大な敷地を確保する必要がなくなった。各大学は学生の通学の至便を優先しだしている。1982年に青山学院大は厚木キャンパスを開設。2003年に同キャンパスを閉鎖、相模原へ移転している。また同志社大も、2013年度から文系全学部の1、2年次教育を京都の今出川校地に移転統合することを決定している。
苦戦する地方私立大学
それでは地方の遠隔地にある大学の状況はどうなっているのだろうか。特に地方での状況が深刻になっている。1倍を切る大学が続出している。八戸大0.3倍
関東学園大0.6倍
敬和学園大0.9倍
三重中京大0.7倍
岡山商科大0.9倍
山陽学園大0.8倍
東亜大0.6倍
広島国際学院大0.8倍
資格取得が可能な学部学科を持つ大学や理工系の大学は意外に強い。特に特徴のない大学は大幅な大学改革が必要だろう。このような深刻な状況にもかかわらず、文部科学省の学校基本調査では前年より大学は12校も増加している。今後どのような状況になるのだろうか予断を許さない。
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