大学受験/大学受験学校情報

早稲田大学と大阪大学に見る2つの方向性

専門学校化しているといわれる私立大学。実利とはちょっと離れたところに身を置き、文理融合の流れを推進する国立大学。その違いは具体的にどこにあり、いったい何を目指そうとしているのでしょうか?

吉田 敦彦

吉田 敦彦

学習・受験 ガイド

河合塾の英語科専任講師を経て、代々木ゼミナールで19年間活躍する現役トップ講師。最近は活動の幅を広げ、各大学のオープンキャンパスや高校で受験対策について講演。これまで多くの受験生を合格に導いてきました。複雑で多岐に渡る大学入試の実態をわかりやすく解説し、攻略法をアドバイスします。

...続きを読む

トップ校ですら、「専門学校化」する大学

画像の代替テキスト
最近の私立大学には専門学校と思われるような学部学科が新設されている。その理由は……
私立トップ校早稲田大学にはご存知のように、スポーツ科学部があります。

その1学科であるスポーツ医学科を調べてみると、現在の大学が向かう一つの方向性が垣間見えます。スポーツ医学科には3つのコースがあり、「スポーツ医学科」「健康スポーツ」「トレーナーコース」で構成。大学名を伏せ、これだけを見れば、「専門学校ですか?」と勘違いする人もきっといるでしょう。

この一例にとどまらず、最近作られる新しい学部学科は実学を目指すものが多く、大学がある意味専門学校化している流れは止まりそうにありません。

たとえば、2008年度開設される予定の同志社大学スポーツ健康科学部。「現代社会に求められる健康な身体づくりのための健康科学、最先端のアスリートにも対応するスキルアップのためのトレーニング科学、社会に開かれたスポーツ環境を実現するスポーツ・マネジメントを、理論と実践の両面から立体的総合的に学び、スポーツ・健康の新時代を担うパイオニアを育成します」とうたっているように、おおむね早稲田と同じような方向性を示しています。

このようなトレーナーを養成するような講座は、スポーツがビジネス化する中で今後の流行になるかもしれません。以前はアメリカの大学や、一部の専門学校にしかなかった学科が日本の大学に見られるようになったのは正直驚きです。18歳人口の減少から、受験生の細かいニーズを拾う必要があり、大学の生き残りをかけた激しい戦いの一旦とも見て取れるでしょう。

そのような実利的な流れとは別に、国公立大学では以前から学問全体を統合しようとする運動があり、その一つが「人間科学部」という学部に現れてきています。

>>文理融合の流れ、大阪大学人間科学部とは?>
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます