トップ校ですら、「専門学校化」する大学
最近の私立大学には専門学校と思われるような学部学科が新設されている。その理由は…… |
その1学科であるスポーツ医学科を調べてみると、現在の大学が向かう一つの方向性が垣間見えます。スポーツ医学科には3つのコースがあり、「スポーツ医学科」「健康スポーツ」「トレーナーコース」で構成。大学名を伏せ、これだけを見れば、「専門学校ですか?」と勘違いする人もきっといるでしょう。
この一例にとどまらず、最近作られる新しい学部学科は実学を目指すものが多く、大学がある意味専門学校化している流れは止まりそうにありません。
たとえば、2008年度開設される予定の同志社大学スポーツ健康科学部。「現代社会に求められる健康な身体づくりのための健康科学、最先端のアスリートにも対応するスキルアップのためのトレーニング科学、社会に開かれたスポーツ環境を実現するスポーツ・マネジメントを、理論と実践の両面から立体的総合的に学び、スポーツ・健康の新時代を担うパイオニアを育成します」とうたっているように、おおむね早稲田と同じような方向性を示しています。
このようなトレーナーを養成するような講座は、スポーツがビジネス化する中で今後の流行になるかもしれません。以前はアメリカの大学や、一部の専門学校にしかなかった学科が日本の大学に見られるようになったのは正直驚きです。18歳人口の減少から、受験生の細かいニーズを拾う必要があり、大学の生き残りをかけた激しい戦いの一旦とも見て取れるでしょう。
そのような実利的な流れとは別に、国公立大学では以前から学問全体を統合しようとする運動があり、その一つが「人間科学部」という学部に現れてきています。