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祭壇の違い、説明されてもわからない

葬儀の光景は?と聞かれたとき、まず思い浮かべるのが祭壇。中央にどっしりと構える祭壇は葬儀の象徴のよう。しかし今のような形になったのは戦後になってから。昔は小机に仏具が置いてある程度だったのです。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

祭壇って何?

祭壇の上に置かれているものは、野辺送りで使用した葬具を模しています
祭壇の上に置かれているものは、野辺送りで使用した葬具を模しています。
祭壇というと、どのような形・素材をイメージしますか?白木であったり、竹であったり、地域によって異なりますが、葬儀式場の中央にどっしりと構えている段飾りの大きい物体……というイメージがあるのではないでしょうか?

実はこの祭壇、昔から続く伝統的なモノ……と思ったら大間違い!戦後、高度成長期時代に装具メーカーが作った作品なのです。

昭和初期まで、祭壇といえば現在の枕飾り程度のもので、小さい机の上に香炉や線香を置き、その横に生花や供物を並べるだけのシンプルなものでした。その机が次第に2段、3段となり、さらの輿(こし)が上に乗って大きくなっていきます。段の上にはさまざまな飾りが乗っていますが、これは野辺送りの習慣で使っていた装具を模したもの。

昔は葬儀が終わって出棺の儀式が終了すると、野辺送りといって葬列が組まれました。葬列の最前列には松明(たいまつ)や龍頭(たつがしら)、次に鉦、太鼓、六道、灯籠、提灯、花、膳などを持った人たち、その後遺族、柩、一般参列者が列になって歩きながら墓地へ向かいます。時代とともに野辺送りの習慣がなくなりましたが、そのときに墓地まで一緒に持っていった装具が形を変えて祭壇の上に飾られるようになり、現在のような白木の祭壇へとつながっていきます。一番上部に乗っている輿も、柩を入れて皆で運んでいた名残で置かれているものです。

次ページでは値段の違いについてご説明します。
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