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お葬式の料理を美味しく見せる裏ワザ(2ページ目)

通夜や葬儀の会食の席で印象に残っている料理はありますか?なぜか葬儀の料理はインパクト薄。実際はさほどまずくない料理なのに、なぜか不評が飛び交う葬儀の料理。その料理を美味しく見せる裏ワザとは……。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

葬儀の後の会食「精進落とし」とは

精進落としではひとりひとりにお膳をふるまいます
精進落としでは、ひとりひとりにお膳をふるまいます。
通夜・葬儀を終えた後、遺族と親戚が揃って食事をすることを精進落とし(精進上げ・仕上げ料理)と言います。

肉や魚など、他の生き物の命をいただいて生活している私たち。しかし、近親者の死を目の前にしたときは、肉食をさけて殺生を控ようという意味で、菜食を中心として食事がふるまわれてきました。それを精進料理といいますが、忌中・喪中があけたときに食べる料理を「精進落とし(精進上げ・仕上げ料理)」と言い、それ以降は肉や魚を口にしてもいいとされていました。

現在では通夜ぶるまいの席でも寿司をふるまうケースが多く、実際に通夜・葬儀の席で精進料理が食べられることはほとんどなくなりましたが、葬儀の後に行われる会食のことを「精進落とし(精進上げ・仕上げ料理)」といわれれる習慣は残っています。

精進落としでは、3000円~5000円の料理を遺族がふるまいますが、その席に僧侶等の宗教者が加わることもありますので人数に入れておきましょう。また1人前のお膳を故人にお供えするケースもあります。難しいのは通夜料理と同様、数を把握すること。だいたいの人数を把握すことができても、直前になって増えたり減ったりすることはよくあることです。例えば、食事をするものだと思っていた親戚が「時間が遅くなったので帰ります……。」と言って帰ってしまったり、予定外の人が席に着いていたり(ご近所づきあいが深い地域や町会との関係が密な地域などでは、精進落としの席だけで100名近く集まることもあります)。

できるだけ人数をきちんと把握するためには、親戚にはあらかじめ食事の席を用意していることを伝え、参加できるかどうか確認しておきます。また、地域性や会場の広さ、家庭の事情にもよりますが、故人と親しい友人・知人もぜひ食事の席にお誘いしてみてはいかがでしょうか。親戚以上に「ゆっくりお別れをしたい」と望んでいる友人・知人も多いことでしょうから。

「葬式の料理はまずい」と言われる理由

テーブルに花を添えるだけで料理の印象は随分違ってきます
テーブルに花を添えるだけで料理の印象は随分違ってきます。
最近は、多くの葬儀社が葬儀後のアンケートを実施しています。「葬儀社のサービスは?」「担当者の応対は?」「祭壇の装飾は?」などの項目があるかと思いますが、他の項目に比べて高評価が出にくいのが「料理の味について」。たしかに「お葬式の料理のイメージは?」と聞くと、「まずい」という印象をお持ちの方も多いはず。実際は言われるほどまずい料理ではなく、むしろ数ある業者の中から選ばれた美味しいはずの料理なのに、なぜ「お葬式の料理はまずい」という印象になってしまうのでしょうか。

  • 料理が冷えている。
  • 時間が経っているので色が悪くツヤがない。
  • テーブルコーディネートに工夫がなく味気なく見える。

理由は主にこの3点になります。そのマイナスイメージを改善しようと、各業者は温かいものは温かい状態で出せるように、そして時間が経っても美味しくいただけるようにさまざまな工夫をしています。例えば、冬になるとアツアツのおでんを出す業者もありますし、車を移動寿司車に改造して、すぐにその場で握って出すことのできるサービスを行っているところもあります。

テーブルコーディネートまで気を配っている業者はまだ少ないようですが、今後葬儀の料理がもっと注目されるようになれば取り組む業者も増えてくるかもしれません。会場の照明を変えたり器を変えたりすることはすぐにできませんが、遺族から提案できるテーブルコーディネートもあります。故人が好きだった花をテーブルに飾ったり、テーブルリネン(テーブルクロス等)の色を統一したり、キャンドルを利用した照明演出をしたり……ちょっとした工夫で料理は格段に美味しそうに見えるものです。

最後に、料理トラブルを避けるために気をつけておきたいことをお伝えします!次ページ
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