公営墓地、民間墓地、寺院墓地、どう違うの?
公営、民営、寺院墓地の特徴を知っておけば候補が絞られてきます |
●公営墓地
公営墓地とは都道府県や市町村などの自治体が事業主体となっている墓地のことです。永代使用料や管理費が安いうえ、永続性が保証されている点などから人気がありますが、随時募集を行っている公営墓地は少なく、抽選で利用者を決めるところが多いようです。
【公営墓地の特徴】
1. 自治体が事業主体であるため経営や管理体制が安定している。
2. 石材店を自由に選ぶことができる。
3. 宗旨・宗派を問わず購入できる。
4. 土地の使用料が比較的安い。
5. 霊園の規模が大きい。
6. 申込者が多く抽選制になっているため入手しにくい。
7. 「区画を選べない」「遺骨が手元にないと申し込めない」「管轄内に住所がないと申し込めない」など規制がある。
●民間墓地
民間墓地とは墓地開発に石材店や開発業者が携わり、管理・販売等を民間業者が行っている墓地のことをいいます。事業主体の多くは宗教法人ですが(一部公益法人もあり)、○○霊園、〇〇メモリアルパーク等として宗旨・宗派不問の墓地として販売しているものを一般的に民間墓地と呼んでいます。
【民営墓地の特徴】
1. 購入者の資格制限がなく、宗旨・宗派不問の場合が多いので、条件を気にせず選ぶことができる。
2. 1区画に2基以上のお墓を建てたい、隣同士の区画がほしいなど、気に入った区画を選ぶことができる。
3. 駐車場や法要の場所など施設が充実しているところが多い。
4. 生前に購入することができる。
5. 石材店は指定業者制になっている。
6. 霊園指定のお寺でないと法要等できない場合がある。
7. 業者によって公園墓地、公苑墓地と言う場合ある。
●寺院墓地
寺院墓地とは寺院境内にある墓地のことです。寺院墓地はそのお寺の宗教活動の一部になるわけですから、お墓を使用することは檀家(だんか)になってお寺を支えていくことを求められ、宗旨・宗派は寺院の教えに従っていくことになります。
【寺院墓地の特徴】
1. 寺院の檀家になることで、お寺との関係が密になり代々手厚くお祀りすることができる。
2. 比較的交通の便の良い場所にある。
3. 宗旨・宗派についてはもちろん、寺院とのお付き合いの方法、住職の人柄等、じっくり考慮する必要がある。
4. 区画の選択肢は少なく、設計の自由度も低い。
公営、民間、寺院墓地はどれも一長一短。どのタイプがいいか迷っている場合には、とにかく見学に行って話しを聞いてみること。墓地を購入した後に万が一気に入らないということが起こっても、簡単に別の場所へ移動することはできません。墓地を購入するということは所有権が自分のものになるわけではなくて、土地を使用する権利を得ているだけですから他人に譲ったり売るということもできません。トラブルの多くは、「今すぐ契約を!」「今ならお得です!」など石材店の巧みな話術で、実際の内容を把握しないまま契約してしまう場合がほとんど。10年、20年……永きにわたって心地よくお参りできる墓地かどうかじっくり見極めましょう。
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